時をかける少女 4K Scanning Blu-ray の感想

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参照データ

タイトル時をかける少女 4K Scanning Blu-ray
発売日2014-12-05
監督大林宣彦
出演原田知世
販売元KADOKAWA / 角川書店
JANコード4988111146212
カテゴリDVD » ジャンル別 » 日本映画 » SF

購入者の感想

4K scanningシリーズとして先行発売されていた『蘇る金狼』『野獣死すべし』のレビューが概ね好評(というかもはや絶賛)だったため、今度こそは!と大いなる期待をもって購入しました。同時に入手した『セーラー服と機関銃』は上記2作と同じ撮影監督・仙元誠三氏監修によるリマスターで、評判に違わず瞠目に値する素晴らしい出来でありました。飛躍的に生まれ変わったシャープな画質、鮮やかにしてクールな色彩は、もはや旧Blu-rayとは別の映画かのような変貌ぶりでした。一方、本作の撮影監督は阪本善尚氏。当たり前ながら仙元氏とはまた違ったアプローチでリマスターに尽力されています。結論から言えば、こちらも大成功!従来の印象を塗りかえるほどクリアには敢えてせず、ソフトフォーカスを多用した映画ならではの柔らかなイメージを残しています。そのため仙元氏のリマスターほどのインパクトはありませんし、物語に没入して観ているとその凄さに気づきづらいのですが、例えば旧Blu-rayと比べると、その差は歴然です。連なる屋根瓦の光沢や家屋の木目模様、土塀や石段の質感など、尾道(竹原)の美しい街並みをさりげなくも的確に際立たせていて見事です。また長い石段を芳山和子が駆け下りてくるシーンや瓦が崩落し立ち昇る土煙など、要所要所の場面が息をのむ美しさに変貌を遂げていて、はっとさせられます。そしてやはり特筆すべきは、全体を包む薄昏くも温かい色調でしょう。ノスタルジアを掻きたてる大林映画に相応しい柔らかなこの色味もまた、旧Blu-rayとは明白に趣きを異にしつつも、その「相応しさ」ゆえに、とても自然です。他のレビュワーの方々がご指摘されるように、ところどころフォーカスの甘い場面が散見されるのは否めませんが、シャープよりもソフトを指向した(当時の)大林宣彦のアナログな作風を鑑みれば、撮影された当時のフィルム自体がそうであると考えるのが妥当な気がします。これほど丹念に丁寧にリマスターを施しておきながらそこだけ手を抜いたとは考えにくいですし、これこそが大林映画の味ではないでしょうか。

以下は作品内容ではなく、4K Scanning Blu-rayソフト(2014年発売)に関してのレビューです。
【4K Scanning Blu-ray】とは、
従来の2K(1920画素×1080画素)で映画のフィルムをスキャンするのではなく、
4K(3840画素×2160画素)でスキャンしたマスターを使用したもBlu-rayソフトのこと。
パッケージには〔どんなテレビでも高画質!〕のステッカーが貼ってありましたが、
今回は42インチTVと5.1chスピーカー(Blu-ray再生機・TV共に4K未対応のもの)で視聴。

画質:
前回2012年に出たBlu-rayは、本当にBlu-ray!?と思った程に眠たい画質だったのに対して、
今回の4K Scanning版は、Blu-rayソフトとして納得できるレベルの画質になっています。
フィルム撮影ならではの味わい深さと公開当時の雰囲気を損なわずに、
非常に丁寧にHD化されていると思います。
ただ、もともと撮影自体がフォーカス甘めの落ち着いた色彩で撮られたようで、
Blu-rayになったからと言って飛躍的な発色の良さや画のシャープさはあまりないので、
観る人によっては画質が上がったとは感じ辛いかも知れません。
粒子感(フィルムグレイン)少し残しの画調ですが見辛く感じることはなく、
フィルムの傷やゴミなども綺麗に除去されており、それが気になる場面はありませんでした。
『時をかける少女』の映像ソフトの中では現時点で最高の画質だと言っていいでしょう。
画角はビスタサイズですが、両側にほんの少し黒帯が出るものでした。

音質:

各メーカーが凌ぎを削る中、今話題の 4K Scanning の新技術で過去の名作が蘇るのは非常に嬉しい事です。
当時は、日本映画と言えば、シネスコタイプが主流の中、いち早くビスタビジョン(ヨーロピアンタイプ)などを取り入れ、特にこの「時をかける少女」に関しては、大林監督が早くからハイビジョン技術に注目するなど当時はその意気込みが見え隠れする演出や撮影技法などが話題となりました。
今回の4K Scanningの採用で、どれ位のオリジナル・マスター原画に近づけるかが最大の課題ですが大いに期待したいものです!!

今後は、大林作品「ねらわれた学園」「ふたり」(※当時世界で初めて作られたオリジナル・ハイビジョン長編映画)などの4K Scanning での発売も待ちたいものです。

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