大本営参謀の情報戦記―情報なき国家の悲劇 (文春文庫) の感想
参照データ
タイトル | 大本営参謀の情報戦記―情報なき国家の悲劇 (文春文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 堀 栄三 |
販売元 | 文藝春秋 |
JANコード | 9784167274023 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 軍事 » 軍事入門 |
購入者の感想
元軍人が書いた本で、くりかえし読める本はめずらしい。
著者の父は「負けた戦を得意になって書いて銭を貰うな」と著者を叱ったという。
この本がたいへん落ちついた筆致で書かれているのは、著者の性格もさることながら、
実直な軍人であった父親の教えによるところも大きいのだろう。
わたしは、まえがきにある一文がたいへん衝撃的だった。
最近いわれている「情報」とは、相手が教えたい情報であり、商品として売られるべく氾濫しているものであると。
ほんとうの「情報」とは、相手が教えたくないものだと著者は書いている。
この本を読んで、かつての指導者の情報軽視を嘲笑するのはたやすい。
しかし、いまの自分たちも「情報」という名の商品に踊らされているだけではないのか。
歴史を語ることで、官僚批判、軍人批判をしているような本は好きではない。
官僚批判、軍人批判じたいが、いまや商品としての情報になっているからだ。
日本のあらゆる職場で、記録軽視、情報軽視があるだろう。
官僚批判、軍人批判の本が売れているのに、なぜ自分たちの日常に反映されないのか不思議でならない。
この本を軍人批判として読むのはいかがなものか。
ほんとうに批判されているのは、商品としての情報に振りまわされている、いまの自分たちなのだと思う。
著者の父は「負けた戦を得意になって書いて銭を貰うな」と著者を叱ったという。
この本がたいへん落ちついた筆致で書かれているのは、著者の性格もさることながら、
実直な軍人であった父親の教えによるところも大きいのだろう。
わたしは、まえがきにある一文がたいへん衝撃的だった。
最近いわれている「情報」とは、相手が教えたい情報であり、商品として売られるべく氾濫しているものであると。
ほんとうの「情報」とは、相手が教えたくないものだと著者は書いている。
この本を読んで、かつての指導者の情報軽視を嘲笑するのはたやすい。
しかし、いまの自分たちも「情報」という名の商品に踊らされているだけではないのか。
歴史を語ることで、官僚批判、軍人批判をしているような本は好きではない。
官僚批判、軍人批判じたいが、いまや商品としての情報になっているからだ。
日本のあらゆる職場で、記録軽視、情報軽視があるだろう。
官僚批判、軍人批判の本が売れているのに、なぜ自分たちの日常に反映されないのか不思議でならない。
この本を軍人批判として読むのはいかがなものか。
ほんとうに批判されているのは、商品としての情報に振りまわされている、いまの自分たちなのだと思う。