空飛ぶビーフ はばたくチキン 海外旅行と機内食 の感想
参照データ
タイトル | 空飛ぶビーフ はばたくチキン 海外旅行と機内食 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | やまかづ |
販売元 | 文芸社 |
JANコード | 9784286107028 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 |
購入者の感想
著者は機内食製造会社で働いてきた経験を持つ人物。140頁ほどの、しかも文芸社から出版した書ですから、それほど大いなる深みがあるわけではありませんが、著者が職業上知り得た機内食に関するトリビアが詰め込まれた、とても面白い書です。
離陸前や着陸前に供されるキャンディは耳の中の気圧調整がうまくいかない乗客のためのものである。
地上と比べて飛行機の中では味覚が鈍感になることを見越して機内食は味付けが濃くなっている。
魚や肉には骨がない。気流の関係で急に揺れが生じても骨でのどをついたりしないようにするためである。
殊に興味深く読んだのは「特別食」についての記述です。
ベジタリアン向けの「野菜食」ひとつとっても、加熱野菜を使わないで生野菜や果物だけで調理した「raw vegetarian meal」、乳製品や根菜類すら使わない「vegan vegetarian meal」、インド風菜食主義者用の野菜カレー「Asian vegetarian meal」、乳製品や卵製品は使う西洋風菜食主義者用の「vegetarian lacto ovo meal」など、多種多様な種類があることが紹介されています。
そしてイスラム・ヒンズー、ユダヤ、ジャイナ教徒のための「宗教食」、胃潰瘍や糖尿病患者のための「医療食」、さらには離乳食などの「子供食」にまで言及されています。
それでいて、「特別食はあくまで一般的な食事をとることができない人々のためのものなので、いたずらに申し込むべきではない」とバランスのとれた但し書きが付されていて、好感がもてます。
誰かに話してみたくなる話題が満載の一冊です。
*80年代ごろまでの日本発ヨーロッパ便がロシア上空を飛ばない「南回り」であったことを記したくだりで、「所要時間は、現在の倍の26時間程度だったようです」(30頁)と推測が書かれています。
1985年に南回りでドイツへたどり着いた時の私自身の経験を言うと、所要時間は大体24時間でした。
離陸前や着陸前に供されるキャンディは耳の中の気圧調整がうまくいかない乗客のためのものである。
地上と比べて飛行機の中では味覚が鈍感になることを見越して機内食は味付けが濃くなっている。
魚や肉には骨がない。気流の関係で急に揺れが生じても骨でのどをついたりしないようにするためである。
殊に興味深く読んだのは「特別食」についての記述です。
ベジタリアン向けの「野菜食」ひとつとっても、加熱野菜を使わないで生野菜や果物だけで調理した「raw vegetarian meal」、乳製品や根菜類すら使わない「vegan vegetarian meal」、インド風菜食主義者用の野菜カレー「Asian vegetarian meal」、乳製品や卵製品は使う西洋風菜食主義者用の「vegetarian lacto ovo meal」など、多種多様な種類があることが紹介されています。
そしてイスラム・ヒンズー、ユダヤ、ジャイナ教徒のための「宗教食」、胃潰瘍や糖尿病患者のための「医療食」、さらには離乳食などの「子供食」にまで言及されています。
それでいて、「特別食はあくまで一般的な食事をとることができない人々のためのものなので、いたずらに申し込むべきではない」とバランスのとれた但し書きが付されていて、好感がもてます。
誰かに話してみたくなる話題が満載の一冊です。
*80年代ごろまでの日本発ヨーロッパ便がロシア上空を飛ばない「南回り」であったことを記したくだりで、「所要時間は、現在の倍の26時間程度だったようです」(30頁)と推測が書かれています。
1985年に南回りでドイツへたどり着いた時の私自身の経験を言うと、所要時間は大体24時間でした。