総合的研究 数学III (高校総合的研究) の感想

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参照データ

タイトル総合的研究 数学III (高校総合的研究)
発売日販売日未定
製作者長岡 亮介
販売元旺文社
JANコード9784010377031
カテゴリジャンル別 » 教育・学参・受験 » 高校教科書・参考書 » 数学

購入者の感想

従来数3Cは、センター試験の範囲外ながら高校数学の範囲内にあると目される諸領域の統合なのでは、と思われました。
というのは、かつての科目割では、「数1A」、「代数幾何」、「基礎解析」、「微分積分」、「確率統計」だったからで、
「代数幾何」と「基礎解析」がさしずめ旧数2Bであり、「微分積分」と「確率統計」が旧数3Cだった、と思えるのです。
少なくとも過去30年間に、大きくは2度カリキュラム改定が行われ、当該科目と単元、事項などの対応検討がなされた形跡があります。

本書は、いわゆる「読む数学シリーズ」として、新数1Aや新数2Bとともに出ているものであり、数学の勉強にやや時間的余裕がある場合には、
こうしたじっくりととりくめる解析系の研究書をもひもといてみると、数学的な切り口というか、ものの見方・考え方が育ってくるようにも思え、
事物や事態に臨際(りんさい)したときに、ある角度からそれらを切ってみて、そこを代数的に措いてみて、座標軸にはめることで、
ある地点までは自動的に、というか所与の計算規則にのっとって過程が進んで行き、そこで一度それまでの意味を考えるために、
静止してみるというのがこの数3の意味なのではないか、と考えられます。

出版に際する諸事情などで中身や体裁が少しずつ変わっているように見受けられ、そのことが読者というか受験生らに便宜になりうるかは、
なんとも難しい面もありますが、例えば笹部貞市郎による新訂「茶の間の数学」(上下)などは、その旧版をみたのがもう随分と前なので、
それが旧版だったという事実の記憶すら怪しくなっていましたが、最近新訂版を入手し、記憶を頼りにざっとみてみたところ、
かつての3巻本を2巻本に編集するにあたって、ポイントだけはきれいに保存し、ディテールの重複的部分のみに限ってカットしてある印象です。
もっとも数学書としては文字による説明は多いほうだと思われ、「随想録」なども含め、読者には鮮明な印象を与えうるものでしょう。

参考書や演習書に加え、本書のような総合的研究書をも手にされると、数学史を含む見取り図的見通しがよくなり、

例題840問、練習問題831問の超大型参考書。
その範囲は高校レベルも凌駕しており、微分方程式やテイラー展開までもが出現する強者。
もうこれは大学の教養レベルのテキストと言った方がいいかもしれない。
受験生はもちろんここまで完璧に読破、理解する必要もないのだが、良く読んでみると、
大学生になってからもこの本の完成度から言って、重宝するべき名著なのかもしれない。
大学に入って使われる理系の教養の微分・積分のテキストは、この本よりも雑で薄っぺらく、しかも高価である事が多々ある。
と言う訳で長岡先生が書いた、この名著を読んだ(読みこなせたら恐らく東大や京大にいることだろう...)受験生は入試後も
本書を古本屋などに売ったりしないように!

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