いつも彼らはどこかに の感想

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参照データ

タイトルいつも彼らはどこかに
発売日販売日未定
製作者小川 洋子
販売元新潮社
JANコード9784104013074
カテゴリ文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » あ行の著者

購入者の感想

自分の仕事にプライドを持つ試食販売人
長年二人で作品を作り上げていた小説家と翻訳家
オリンピックの競技が行われる村でひっそりと開催日までの日めくりカレンダーをめくる食堂を営む男
入館者数が少ない小さな美術館で受付のバイトをしている女性
自分の精神世界に入り込んだ妹を見守る兄
動物園で勤務しチーターの檻を見続ける女
門限の厳しい断食施療院に入所し風車で飼われている蝸牛を愛する年配女性
何かの理由で旅ができない人のため身代わりとなる品、通称身代わりガラスと共にあちこちを旅する女性

彼らは孤独でとても静謐な時間の中でひっそりと暮している。
彼らが思いを馳せるのは遠い異国の地に居る動物たちだ。
動物の存在が時に癒しになり時に現実の残酷さを物語る。
正に「いつも彼らはどこかに」存在するのだ。

本の帯文には震えるような感動を呼び起こすとあるが
私個人が感じたのはとても静かな感動だった。
本を読み終えた後じんわりと感じる寂しさであったり美しさであったりする。
小川洋子の作品ではよく感じるけれど
とても美しい文章で静謐な世界観を充分に満喫できた。
人生に疲れた時、孤独感を味わった時に特にお勧めの小説本です。

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