ふしぎな国道 (講談社現代新書) の感想

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参照データ

タイトルふしぎな国道 (講談社現代新書)
発売日販売日未定
製作者佐藤 健太郎
販売元講談社
JANコード9784062882828
カテゴリビジネス・経済 » 産業研究 » 交通 » 一般

購入者の感想

本書は趣味としての「国道」を語る。「国道」というと、幹線道路という印象を持つが、蜀の桟道のようなガードレールもない国道、川と平面交差する国道、スキー場のような急坂、全長200メートルしかない道はまだいい方で、登山道、獣道すら国道指定されている。こうした国道趣味のド定番「酷道」走破から、変わり種の国道標識探し、全線走破など、マニア度の高い遊びまで紹介している。「ROUTE」のスペルミス看板を探すというのもすごいが、国道標識(通称・おにぎり)が3つ、6つと連なる標識を見つけると感激してしまうというのは、ただただ恐れ入る……

定番の階段国道から始まっているが、階段の先は民家の軒先をかき分けるという。関門トンネルのエレベーター国道、東大阪のアーケード国道など、変わり種国道の紹介をしている。定番の酷道走破は、類書・サイトがかなり出ているのでページの割にあっさり。でも、お約束の紀伊半島横断の425号、四国の「与作」などエース級の酷道も登場する。阪奈国道で傾斜度30度を超えるほぼ崖道が国道指定されている理由で納得したのが「何もない所に国道は作れない。あくまでバイパスでなければならないから、ダミーで旧街道を国道にする」という話。全国に「いずれバイパス・高規格化」の使命を背負った酷道があるのはそういうわけか。

これまで国道の新書は何冊かあったが、本書は写真が豊富なのが何よりいい。制定史や道路法制などの真面目パートはそこそこに、トリビアルな情報を多く盛り込んでいるので、類書では一番読んで楽しい。大塚周辺でよく通った川越街道の国道の終点が、実は松本だったというのが一番の驚きだった。

本書のタイトルは『ふしぎな国道』とあるが、端的に言えばコンセプトは『国道』に纏わるトリビアと言って良いだろう。このページの上の「商品の説明」及び「登録情報」最下段の「目次を見る」に、構成・内容について概略のある通り、「国道マニア」としての著者の蓄積された知識・(走破・走行)経験などに基づいて、「国道にまつわる、様々な謎を読み解くとともに、国道をこよなく愛する『国道マニア』たちのマニアックな生態を解説する」ものである。謎解き(トリビア)は、「酷道」(著者の理解に依ると、「国道」と言う形式には凡そ整合しない劣悪な物理的実態のものを言うーー狭い、未舗装、走りにくいなど)を中心として、国道の歴史、国道の様々なベスト・レコード、国道標識のあれこれ、「国道マニア」のカテゴリ、都道府県道や旧道との関係、国道グッズなどカラー写真やルート図面などを織り混ぜつつ、熱意溢れる筆致で語っていく。実は本書の著者は『炭素文明論 「元素の王者」が歴史を動かす (新潮選書)』等も書いている科学ライターであるが、履歴(本書カバー裏面ー表2部分)に依ると、「国道マニア歴一七年、四七都道府県三二万kmを走破」とあって、筋金入りの「国道マニア」と推察される。そのマニア度は、本書の筆致にも十二分に顕れている。

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