統計学が最強の学問である の感想

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タイトル統計学が最強の学問である
発売日販売日未定
製作者西内 啓
販売元ダイヤモンド社
JANコード9784478022214
カテゴリ » ジャンル別 » ビジネス・経済 » ビジネス実用

購入者の感想

よく売れており、いまだに多くの本屋で見かけるので読んでみた。統計学について実用面から解説した本。果たしてどこまで一般向きといえるかどうかはともかく、ポイントを押さえながら幅広い説明を行っており、内容的自体は予想していたより良い本だった。

前半の、あみだくじやコレラの話しでつかみはOK。しかし、本書の真骨頂といえるのはむしろ前半よりは少し難しい後半部分の方だろう。説明変数と結果変数の2つから分類した「一般化線形モデルを一枚にまとめた表」は、大変よく分類されている。予測それ自体が目的ならデータマイニングで、予測モデルから今後何を議論したいのであれば回帰モデルの方が役に立つというような目的視点からの違いの説明は納得感があった。限られた情報と仮定を組み合わせる効率が求められるならベイズを使えばいいし、可能な限り間違いの可能性を減らしたいとか十分なデータを利用できるのであれば頻度論的にp値を使えばいい、というのもなるほど、と思った。今はコンピュータ用に結構いろいろな分析用のソフトウェアやマクロが出ているので、このように、どういうときにはどれを使えばいいのだという取捨選択や判断の方向性を要所を噛み砕いてわかりやすく示している点はよいのではないかと思う。

タイトルは「?」だが、中身を読む限り、単に販売促進のための方便というだけでなく、統計の専門家の1人としてこの分野の重要さに対する一種の確信や自負心のようなものもあらわしたかったのだろう、という印象を受けた。実際、ビッグデータなどの流行もあって、この分野の重要性は近年増している。もっとも、いくら統計分析全盛の時代で内容も良いとはいえ、あくまでも統計についての本なのであって中身だけで20万部以上のベストセラーを記録するような類の書籍だとは考えにくく、やはり本のタイトルの付け方を代表とするマーケティングの効果というのは大きいな、とも思った。

私は統計の専門家というわけではないですが、
ちょっとしたサンプリング調査をして上司などに報告することがあります。
そんなとき「なんでサンプルなんてとってるの?全部集計した方が正確だし、
正確なデータが取れなきゃ無意味でしょ?」などと、突っ込まれることがよくあります。
世間一般の統計学の知識なんて、そんなものです。
最近「ビッグデータ」を持ち上げている人たちも、たいがいは
統計的な知識があればもっと費用対効果の高い分析ができることを知らないでいます。

そういった人たちの統計学に関する興味を引くためには、本書のタイトルは素晴らしいものだと思います。
ちなみに、この主張は1章できちんと説明されています。他の方の意味不明というレビューは、さすがにどうかと思います。
また、2章縲怩T章では統計学でのアプローチを、6章では統計学の応用分野を、軽くなぞっています。
ページ数の割には内容も軽いものが多いですが、読者層を考えると妥当なものだと思います。

本書の内容で不十分だという方には、次に読むべき本として「統計学を拓いた異才たち」「その数学が戦略を決める」や
統計学の入門書・専門書を選ぶとよいでしょう。これらの本も、本書の参考文献として挙げられています。
その意味でも本書の役割は明確です。
「統計学入門以前」の段階の方におすすめで、入門してしまった方には得るものが少ないでしょう。

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