一瞬で相手をリードするマジック心理術 の感想

「仕事もプライベートも思い通り！」なんて書かれているので、一見、ビジネス書のように思いますが、メンタルマジックの原理をわかりやすく解説した本です。

メンタルマジックというのは、読心術や予言を目的したマジックのことです。
クロース・アップマジックが流行っていますが、カードやコインと比べて、メンタルマジックの本は少ないのではないでしょうか。
松田道弘氏の「メンタル・マジック事典」「超能力のトリック（絶版）」「あそびの冒険２巻（絶版）」「タロットカード・マジック事典」、それに三田皓司氏の「メンタルマジック」ぐらいじゃないでしょうか。

これまでの本が「予言」「読心」と現象面に焦点をあてて解説しているのに対して、この本のいいところは、「基本原理ありき」で解説しているところです。「この原理を使えば、こういうマジックが出来ますよ……」という分類の仕方の解説は非常に秀逸ですし、その観点から上記の本や他のマジックの本を読み直していくのも面白いかもしれません。

もちろん、副題については「看板に偽りなし」で、そうした原理を知っていれば、人とのコミュニケーションにも役立つでしょう。それに、もしかしたら騙されにくくなるかもしれない。
また、マジックがどういう原理に基づいて行なわれているかを知ることで、人間心理、人間の錯覚ということについても勉強になります。

いずれにしてもメンタルマジックは、カードやコインよりも技術がいらずに、威力が高いマジックだと思います。道具もいりません。ちょっとした飲み会やバーなどで人を驚かしたいと思う人は絶対におすすめです。

星が４つなのは、もう少し突っ込んだ説明がほしかったからです。それに「もっと勉強したい」と思う人はどうすればいいのか、その辺のアドバイスも欲しかったと思います。