David and Goliath: Underdogs, Misfits and the Art of Battling Giants の感想

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参照データ

タイトルDavid and Goliath: Underdogs, Misfits and the Art of Battling Giants
発売日2013-10-03
製作者Malcolm Gladwell
販売元Penguin
JANコード9781846145810
カテゴリ洋書 » Subjects » Nonfiction » Economics

購入者の感想

誰もが怖れるペリシテの巨人兵士ゴリアテをイスラエルの羊飼いの少年ダビデが石で打ち負かした旧約聖書の有名な逸話「ダビデとゴリアテ(David and Goliath)の闘い」は、不利な条件の弱者が恵まれた条件の強者を破ることの例えによく使われている。一見珍しい出来事に思えるが、グラッドウェルによると、実社会ではよくあることである。不利な条件があるからこそ、人々はそれを克服するためのモチベーションを持ち、小さなサイズや不利な条件を利用する戦略を練り、恵まれた条件の者たちを倒してきたのだ。

これまでの本のようにグラッドウェルは多くの実例を紹介しながら独自の結論を導き出している。

例に使われているのは、中学校の女子バスケットボールチーム、アラビアのローレンス、学校でのクラスの適正人数と逆U型グラフ、ハリウッドの成功者を例にした「too big, too richの悩み」、dyslexia(ディスレクシア、識字障害)がありながら成功した人々、60年代アラバマでのアフリカ系アメリカ人の公民権運動、犯罪の被害者の家族の選択、北アイルランド問題での英国の対応などである。

私が特に興味深く思ったのはインド人実業家Ranadiv’の逸話である。彼の娘が入った中学校のバスケチームのコーチを引き受けたとき、インド生まれの彼はバスケットのことをあまり知らなかった。そのうえ彼の娘のチームの大半は、親がシリコンバレーで働いている勉強好きのナードな子どもばかりである。だが、MIT卒業のビジネスマンは、他のチームとはまったく異なるアプローチでこのチームを全国大会に導いたのである。

ほかにも、「良い大学に入学したほうが有利だ」という思い込みを覆す部分や、逆境を利点に変える発想、そして「恵まれていることは必ずしも良いことではない」という点は、「良い大学を卒業しても就職口がない」と嘆く今の日本人の若者と親にとって励みになるだろう。

彼の着眼点と実例は面白いし、部分的に同感するところはいくつもあるが、私にとってのグラッドウェルの問題はこれまでと同様に結論の部分にある。単純すぎるし、そこに辿り着く経路が納得できないのだ。

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