天使のゲーム〈上〉 (集英社文庫) の感想

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参照データ

タイトル天使のゲーム〈上〉 (集英社文庫)
発売日2012-07-20
製作者カルロス・ルイス サフォン
販売元集英社
JANコード9784087606461
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » スペイン文学

購入者の感想

話は、作家を主人公とした、(映画)[エンゼル・ハート](1987年ミッキー・ローク主演)を彷彿とさせるダーク・ファンタジー=ひょんな行き掛かりから作家ダビットが
探索することになった<塔の館>にまつわる人物が、実はといった話で、第二次世界大戦前という時代設定の割には、激しい
アクションありいの、ディーヴァー風どんでん返しも用意され、それに超常現象が絡む、”珠玉”かどうかは、わからんが、かなりの面白本。
翻訳も極めてスムースで、バルセロナで暮らしたことのある私にとっては、旧市街の描写、ガウディの建造物描写などは、感涙もの。
ただ、大傑作の前作[風の影]と比較すると、挿話に超常現象的オチの付け方が多用されており、前作のような最後の最後ですべてが
納得の上、”コトリ”と落ちる哀愁のラストとは行かなかった。
”本の墓場”の扱いも、本作ではあまり重きを置かれてはいない。
大体、何故に謎の編集人=雇い主はダビッドを選択したのか、その理由がいまいち納得できない。
訳者後書き(この後書きが、ここまで書いて良いのか、と言うくらいネタバレ満載なのに驚くが)に丁寧にその理由説明があるが、
(--作家としての彼の魂を欲しいままにして、に君臨--)君臨して、結局なにがしたいのか
最後の最後、雇い主がつぶやく<祝福であり、復讐である>えっ?何に対する復讐?とちょっと混乱すら覚えてしまい、前作の
正しく”珠玉”のラストの再現を期待した分、落胆があったのは事実。
もっとも4部作となるとの事ゆえ、私の疑問も最後には氷解するのかもしれず、ここは、このまま[?]にしておくのが良いのかも

私見ではあるが、本作は、”本の墓場”シリーズの一貫とせずに、オカルト風味を抑えて独立した時代ミステリーとして上梓されていたら、
大傑作になり得た気がするのだが,,,,

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集英社から発売されたカルロス・ルイス サフォンの天使のゲーム〈上〉 (集英社文庫)(JAN:9784087606461)の感想と評価
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