とろける鉄工所(1) (イブニングKC) の感想

漫画自体は最高に面白いです。
が、編集の一言が嫌がらせのように１ページごとに書き込まれており
漫画の質を90パーセント以上下げています。
とにかくネタにしろマジにしろ編集者をやめてお金持ちの実家でもなんでも帰るべきです。

２巻以降はさすがに無くなっているようですが、１巻もこの糞みたいな編集の一言無しで重版かなにかで出してほしいです。
もちろん漫画自体は絵、内容、ストーリーなどいろいろな面でよく出来ていて面白いので、
本来陰で支えなければならないはずの編集の出しゃばったこの柱が気にならなければおすすめです。なので星は４つにしました。
しかし悲しいことにおそらくこれが気にならないという人はいないでしょう。

単行本化を楽しみにしていた一冊です。

作者の野村宗弘さんは実際に溶接工だったそうで、世間の人がなかなか知り得ない世界を
コミカルな絵柄ながら、率直に描きだしています。
仕事の内容が、即「労災」につながりかねないものであることを、ペーソスを交えながら
教えてくれる一方、経営者と労働者の考え方の違い（経営者が良かれと思ったことが、
労働者には必ずしも喜ぶべきものではない）などにも触れていて、なかなか深いマンガ
だなぁ、と思います。

主人公の北さん（白目ですが働き者で優しい夫）と、それをとりまく人物も魅力的。
また、野村さんの描く女性キャラクター（北さんの奥様や小島さんの娘さんなど）は、
時に屈託なく時に手強いのですが、夫や父を思いやるシーンでの優しくも憂いを帯びた
目が印象的で、それがまた一つの見どころでしょうか。

このマンガを読むと、日常何気なく使っている製品を作ってくれている鉄工所に、
思わず感謝したくなること請け合いです。