私の好きな日本人 (幻冬舎新書ゴールド) の感想

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参照データ

タイトル私の好きな日本人 (幻冬舎新書ゴールド)
発売日販売日未定
製作者石原 慎太郎
販売元幻冬舎
JANコード9784344981294
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 倫理学・道徳 » 倫理学入門

購入者の感想

特に私が興味深いと思ったのは、「大久保利通」と「小林秀雄」である。
大久保利通は石原の性格からして特段驚くべきものでも無かったが、小林秀雄
では、ここに白洲次郎や江藤淳、中原中也の論評も出てきており、面白い。

だがしかし、石原氏の評論の手法は全て江藤淳や三島由紀夫の二番煎じであり、特別に目を見張るようなものは無い。

 いや〜おもしろかった。
 題名から分かるように、これは石原慎太郎氏が気に入っている日本人について著者独特の視点から述べている本である。もっと噛み砕いて言うと、「男は何のために死ねるか」ということを言わんがために、日本武尊の話を持ち出して、武尊は自己犠牲によって日本を形作った、と語っている。石原氏は、神話なので内容はどう解釈してもよいと言っているが、言いたいのは「自己犠牲」ということである。よって、この本は、石原慎太郎氏の個性と思想に感銘する人にとってはおもしろく、そしてついでにといっては何だが、著名な人々の知られざる生き様を知ることになる。

 日本武尊の次には織田信長と大久保利通について述べているが、ここまでは歴史上の人物であり、他の人の二人に対する論評もあるので、退屈はしないが特に面白くもない。

 次から登場してくる、広瀬武夫(生き様は日本武尊に似ている)、岡本太郎、賀屋興宣、横山隆一、五島昇、小林秀雄、奥野肇などは今の人で、奥野さんという方を除けば多くの人がその著作なり成し遂げた仕事によってまだ記憶に鮮明な方々である。私にとっては名前は知っているが詳しく知らないという方々で、それだけに、それぞれの話が面白かった。特に、賀屋興宣氏については、映画「日本の一番長い日」の中で終戦に向けて努力していた姿と、戦後に国会議員として登場していた姿とに乖離を覚えていたので、いつか知りたいと思ったが、この本から知ることが出来た。
 小林秀雄氏も私にとっては謎の人であったが、石原氏の目から見た普段の小林秀雄氏を知ることが出来ておもしろかった。
 そして、奥野肇氏である、真に心温まる話であるが、この人が何者であるかは直接この本を読んだほうがよいと思うので、語らないことにする。

石原慎太郎が日本の歴史上の人物や個人的交流で
好きだと公言する人間を取り上げて石原流解釈で述べた本。
彼の小説は何冊か読んだことがあるが
単行本としてエッセイ的な文を読むのは初めて。

達者な語り口で歴史上の人物、親交のあった人物が描かれている。

印象に残ったのは“国”という概念についての著者のこだわり。
人としての在りどころとして、その核になるものとして“国”について
著者は強く意識している。
確かにそうなのだが、
20世紀前半に生まれた著者と
私を含めた多くの読者、20世紀後半に生まれ、
まだ21世紀も生きていく人からすると
若干の違和感もあるのではないだろうか。
私自身がそうだった。

また、抑圧組織、暴力装置としての“国家”を論じた点を
避けている点も気になる。
そのあたりが、右派と称されるゆえんなのかもしれないが。
彼の国家論みたいなのはこの後で読んでみたい。

とはいえ日本武尊で
国家から人を論じたエッセイが
次第に取り上げる人が個人的交流へと収斂していき
ラストは高校時代の恩師につながるという流れは
なかなかに見事なものだと思った。

文末に“そうな”とつけるのにはすごい違和感あり。
80歳に近い人の言語感覚なのでなんともいえないが。

楽しく読めて、感じ入るところもあるエッセイではあると思う。
石原慎太郎という人が、
癖はあるが魅力ある人物と改めて思いました。
この人の文章には、力はあると思う。

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