国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて (新潮文庫) の感想

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参照データ

タイトル国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて (新潮文庫)
発売日販売日未定
製作者佐藤 優
販売元新潮社
JANコード9784101331713
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門

購入者の感想

佐藤優氏は外務省のノンキャリアでロシア大使館での仕事に従事した後、日本に戻って特殊情報(いわゆるインテリジェンス)担当となる。

外交というものはあくまで国益を追求すべきものだから、必ずしも正々堂々がいい訳ではない。北方領土も、現状を踏まえて且つ相手国たるロシアが本質的に求めるものは何か、を追求しつつ、政治と経済と組み合わせて交渉するのが正しい。

佐藤氏はインテリジェンスの内でも、それまでの経験を活かしたロシア、東欧の仕事が主となる。そしてロシアといえば北海道出身の議員、鈴木宗男氏。「ムネオ・ハウス」なんかで有名になった人。結局佐藤優氏は盟友ともいえる鈴木議員に連座する形で起訴された。

僕はこの本を読むまで鈴木宗男氏は利権をむさぼる汚い奴と思っていた。そして連座した佐藤優氏も典型的な世の中の常識からずれた外務官僚と思っていたが、この本を読んで、それが誰か及びマスコミによって作り上げられた歪んだイメージで、真実はこの本に書かれていることの方が近いと感じた。鈴木氏は利権をむさぼる人ではない。また佐藤氏担当検事の西村氏も指摘していたように、鈴木氏はその政治力、押しの強さ、理念を実現できる強さから多欲な他人、たとえば田中真紀子から嫉妬を受け、しかも鈴木氏自身の欲が少ない為、そのような嫉妬自体に気がつかない。従ってその地位から引きずり下ろされたという。

鈴木氏は立派な政治家だ。そして鈴木氏とタッグを組んで日本の国益の為に頑張った佐藤氏も立派だ。二人とも真の日本男児といえる。

一方の魑魅魍魎、事なかれ主義、必要な時には鈴木氏に土下座してまで従う姿勢をとりながら、いざ鈴木氏が訴追されると、「鈴木氏の強いプレッシャーによってあんなこと、こんなことをさせられた」と掌を返したようなことをする外務官僚たちとは対照的だ。

僕が興味深かったのは検察官同士のこの会話だ。「この国=日本の識字率は5%以下だからね。新聞に一片の真実が出ているもそれを読むのは5%。残り95%の世論はワイドショーと週刊誌によって形成されるのだ」。

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