哀しき半島国家 韓国の結末 (PHP新書) の感想

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参照データ

タイトル哀しき半島国家 韓国の結末 (PHP新書)
発売日販売日未定
製作者宮家 邦彦
販売元PHP研究所
JANコード9784569822266
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門

購入者の感想

北東アジアの歴史を著者なりの解釈で説明した上で、今後の朝鮮半島情勢に起こりうるシナリオを複数想定して、日本のとるべき道を考察した本。

「世の嫌韓本とは次元が違う」と強調されている。著者によると、他の韓国関係類書と違うというその特徴の第一は、「中華とコリア半島の二者のみを分析対象としない」「中華とコリアのあいだに存在した旧満州地域の理解が絶対に不可欠」というところにあるのだという。しかし、旧満州地域と朝鮮半島との歴史的関係の重要性については、中央アジア史を専門とする歴史学者の宮脇淳子氏が書いた韓国関連の著作などでも言及されており、今や別に目新しい視点でもなんでもない。実際、近年いろいろな韓国・中国関連の本を読んできた立場から感想をはっきり書かせてもらうなら、「世の嫌韓本とは次元が違う」という著者の自画自賛のわりには、少なくとも歴史解説部分についてはざん新な内容は特に見当たらなかった。著者は、10冊以上読んだ本にはそのようなことは書かれていなかったと述べているが、あまり好きではないらしい嫌韓本と決め付けている最近の本を避けて20世紀後半に主流だった戦後レジームの歴史観の枠にとどまった本ばかりを選んで読んだ結果そう判断してしまっているのかもしれない。

このページの上の「商品の説明」には、「コリアの本質を知る最良のインテリジェンス! 世の『嫌韓論』とは次元が違う」とあるが、確かにタイトルから受ける本書に抱く印象の『嫌韓論』とは「次元が違う」だろう。何故なら本書の内実は、既に巷間類書で指摘されてきた現状の朝鮮半島(中国と半島の関係、内モンゴル問題)や南北朝鮮の民族性等を(既に黄文雄氏他に指摘され尽くした)「事大主義」や「小中華思想」などの観念から概括し(第1〜4章)、次に遼東半島を中心とするいわゆる“旧満州”地方(華北含む場合あり)及び朝鮮半島の現状と歴史を概観し(第5・6章)、朝鮮半島の興亡史を中国の王朝変遷史との関連で定型化し、近未来の朝鮮半島情勢(端的には統一の可否など)を延々と書き綴ったもの(第7〜10章)に過ぎないからである。そして本書のタイトルは、『哀しき半島国家』等と(前記紹介文が言う「世の『嫌韓論』」を彷彿とさせる)些か挑発的な語句を用いているところ、率直なところを言えば、通読しても何が『哀しき』実体なのかは良く判らない。『韓国の結末』云々にしても、第7章以降の本書の中核たる朝鮮半島(南北朝鮮の統合の可否)に関する「近未来予測」ないし「コリア半島戦略」と題する、著者の推測論の羅列が延々と続くばかりで、著者の主張と観るべき『韓国の結末』は一向に見えてこない。

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