エッセンシャル版 ミンツバーグ マネジャー論 の感想

『マネジャーの実像』から４年。
マネジメント現場の膨大な分析から「マネジャー」とは何かを鋭く描いた大著をベース
にしながら、若干新しい記述も織り交ぜた現代経営学の巨匠Ｈ．ミンツバーグの贈る
「マネジャー論」が本書だ。
『マネジャーの実像』を精読した読者であれば、目新しさは感じないだろう。反面、その
良著を読まれていないマネジャーには、新鮮な記述が満載だ。マネジメントの三角形
やマネジメントの常識に対する疑問の数々の提示、マネジメントのジレンマとそれらへ
の対応などなど。そしてそれらの刺激的な記述が『マネジャーの実像』よりも大変読み
やすく、コンパクトに（少なくとも前作よりは）まとめられている。
「マネジメント」の世界は、おかれる環境やメンバーが異なれば、同じ方法が通用しな
い奇妙な世界だ。その「マネジメントという奇妙な世界で戸惑う人々へ」の福音、それ
が本書であろう。