路地裏のあやかしたち―綾櫛横丁加納表具店 (メディアワークス文庫) の感想

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参照データ

タイトル路地裏のあやかしたち―綾櫛横丁加納表具店 (メディアワークス文庫)
発売日2013-02-23
製作者行田 尚希
販売元アスキーメディアワークス
JANコード9784048913775
カテゴリ » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL » ライトノベル

購入者の感想

最近のこの手のライトミステリは、舞台設定の楽しいものが多いです。
本編も、主人公意外は妖怪が多くなっていますが、内容は極々日常的です。
実際、身の回りにこんなに妖怪が潜んでいるのかなと思うと、楽しいです。
ミステリとしては、ほのぼのタッチの軽めのものです。

掛け軸や屏風を彩る表具や絵,技術になぞらえ,人々の思いが綴られる全五篇の連作短篇集で,
訳あって人の姿をした4人(?)のあやかしと,1人の男子高校生の出会いから物語は始まります.

話の流れは,どの篇でもおおよそ同じで,奇妙な現象を巻き起こすという絵や道具に対し,
あやかしであり,表具師でもある女主人を中心に,込められた思いや時間までをもくみ取り,
あるべき姿へと表装を施すことで,その現象や問題を解決していくというものになっています.

また,あやかし,奇妙とありますが,呪いや怨みの類といったおどろおどろしい要素はなく,
むしろまるで逆,どの話も最後には良い結果へと落ち着くといった話が取り揃えられています.

ただ,『あやかし』という題材については,これをうまく生かし切れているとは言いがたく,
人間界に紛れ込んでいる設定とはいえ,姿や立ち振る舞いにそれらしい雰囲気がないのは残念.
表具店や表具師の仕事ぶりも,珍しさから興味は牽かれるものの,そこまで深くは描かれません.

このほか,語り手となる男子高校生のキャラクタ,そして口調がたびたびブレるのが気になり,
女主人が和装の似合う美人ということで,まとう着物の柄まで細かく触れられたりするのですが,
唯一ともいえる扉絵の雰囲気はだいぶ幼め,カバー絵にいたっては…なのがもったいなく感じます.

とはいえ,どの篇もシンプルにまとめれており,序盤で見せたやり取りを終盤に生かすなど,
やや単調な面もありますが,驚きや派手さに頼らない落ち着いた話運びは好感が持てましたし,
いかにもな雰囲気を漂わせながら,意味深な空白ページを挟んだ最終章での演出も印象的でした.

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