究極の吹奏楽~夢の国編 の感想

ディズニー音楽を取り上げていますので、当然楽しさはどの曲からも伝わってきます。
陸上自衛隊中央音楽隊の演奏で、指揮は1等陸佐の武田晃さんでした。
全体を通して、ポップな曲よりもシンフォニックな曲の方がお上手でした。

特に9曲目の「スーパー・クレジット(映画『Mr.インクレディブル』より)」は素晴らしい演奏でした。各プレイヤーの奏でる音に輝きと艶があり、華やかさが全篇を覆っていました。リズムの切れ味や、ソロの巧さなどが、リスナーには心地よく響くことでしょう。部厚いサウンドは、やはりアマチュアの音とは違います。ダイナミック・レンジの大きさもストレートに伝わり、吹奏楽ならではの迫力が目の前で展開されているように感じ取れました。「5拍子の混じった変拍子の曲」でした。それも印象に残る要素だったのでしょう。

「黄金のメダル〜ブラックパール号〜彼こそが海賊(映画『パイレーツ・オブ・カビリアン/呪われた海賊たち』より)」の冒頭の金管アンサンブルのハーモニーの美しさに痺れます。壮大な曲想と吹奏楽のサウンドは実にしっくりときます。勇壮なテーマは、他の楽器アンサンブルではなかなか再現しにくいジャンルでしょう。楽しげな曲が多く収録してありますが、このような本格的なシンフォニツク・バンドの曲ともとれるアレンジは大変気に入りました。

勿論、「小さな世界(イッツ・ア・スモールワールド)」「くまのプーさん(映画『くまのプーさん』より)」「ミッキーマウス・マーチ」「美女と野獣(映画『美女と野獣』より)」なども馴染みのある楽しい演奏でした。
「エレクトリカル・パレードのテーマ」はあの光り輝くパレードの姿を彷彿とするような華やかさに満ちており、ワクワクする気分で聴いていました。
「ディズニー・アラウンド・ザ・ワールド」「星に願いを(映画『ピノキオ』より)」など、「夢の国編」に相応しい選曲とアレンジでした。

　陸自中央音楽隊のメンバーの力量がよくわかり
録音状態も良い。
良い音のＣＤだと思います。