それでも前を向くために be SOUL 2 の感想

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ドキュメンタリー映画を観るようにその時々の彼の心情が手に取るようにワカル。それは本人がきちんと編纂しているからなのであろう。髙橋大輔という選手が、驕りも気負いもまやかしも無く、一途に競技に取り組んで来たむき出しの心情の吐露集である。何度でも読み返したい。

全240ページとボリュームのある内容で読み応えたっぷり。文章と写真のバランスもいい。
写真はより多くの枚数を載せようと苦心して小さいサイズから大きいサイズまで、あまりニュースで使われないお茶目な表情も多い。
故郷の倉敷での写真はプライベートに近いから、今まであまり見たことがないんじゃないかな？

2011-12シーズン以降の試合とプログラムについての振り返り、自身での分析がとても細かくわかりやすい。
「あの時はやっぱりそういう状況だったのか」と腑に落ちることがたくさん。
中には「こんなに弱い部分を見せちゃっていいんですか？」と思うところもあるが
彼は弱い自分を見せることを恐れない芯の強い選手なのだろう。

そしてファンにとっては気になる手術した右ヒザの現状。
彼はギリギリのところで身も心も削って、大変な状況で真摯に選手生活を続けているのがわかる。
揺れ動く気持ちや、身体の様子、選手としてスケートへの思いなど…
テレビでは編集されてしまう短いインタビューよりも、彼の内面、本心を知りたいファンはこれを読んでおけばいいと思います。
ここに書かれている彼の言葉こそが真実です。