いっしょうけんめい「働かない」社会をつくる (PHP新書) の感想

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参照データ

タイトルいっしょうけんめい「働かない」社会をつくる (PHP新書)
発売日販売日未定
製作者海老原 嗣生
販売元PHP研究所
JANコード9784569821047
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論

購入者の感想

『いっしょうけんめい「働かない」社会をつくる』とはなかなか刺激的なタイトルだ。
日本人は働きすぎなのだろうか?もし今の働き方を変えるとしたらどのような方
向性があるのだろうか?雇用ジャーナリストとして様々な雇用の実態を直視して
きた海老原嗣夫氏が、これらの問いに対しての提言を行っている。
入口は、このところ俄かに脚光を浴びる「ホワイトカラーエグゼンプション」を取り
上げている。しかし、現在のエグゼンプション議論は、本来の主旨から外れ、年
収の議論に終始しており、これに反論する識者も、サービス残業の増加から労
働強化につながるという極めて狭い範囲になっていると喝破している。
「エグゼンプション」が必要となっている本来の問題を直視せず、上っ面の議論
に終始する姿は、バブル崩壊後の(あくまで日本的な)成果主義導入の同様に
感じられる。ワークライフバランスを取りながら、総人件費を圧縮し、業績を高め
る。いびつな人員構成を打破し、高齢化の是正のためにシニアの活用をうたい
つつ、若年層の活性化を図りながら、女性の活躍推進を促す。これらの錯綜した
課題に、現状の人事制度や雇用制度、賃金制度といった「これまでの人事政策」
の考えで対応できるのか?豊富なデータと欧米との比較などからひも解く。
氏の考えにものすごく共感できるのは、日本式の良い所を認めつつ、欧米式を
無条件に賞賛することもなく、日本企業の現状を真摯に見据えたうえで、上記の
課題に対応する提案をされていることである。
本書を手ほどきに、政経、産学が今後あるべき方向を見出すことを期待して止ま
ない。

日本の人事制度や働き方を客観的に見つめ直す機会をあたえてくれる書物である。この視点が日本人のキャリア形成にとりいれられることを切にねがう。ぼくたちは、もうすこし、日本人の働き方の独自性を"客観的に"とらえなおす必要があるだろう。

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