赤い天使 [DVD] の感想

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参照データ

タイトル赤い天使 [DVD]
発売日2012-11-16
監督増村保造
出演若尾文子
販売元角川書店
JANコード4988111288998
カテゴリDVD » ジャンル別 » 日本映画 » ドラマ

購入者の感想

 1966年公開の映画です。監督の増村保造は、東大出のインテリで、若い頃、イタリアに留学し、F・フェリーニ、ルキノ・ヴィスコンティに師事し、そのため、個人主義的な人間観に裏打ちされた、モダンで大胆な演出を特徴としています。
 西さくら(若尾文子)は、従軍看護婦として、天津の陸軍病院に赴任し、内科病棟の担当になりますが、そこで札付きの患者、坂本一等兵に犯されます。そして、このことが露見した坂本一等兵は、戦地に戻されます。この後、さくらはより戦地に近い分院に転属します。しかし、ここはまさに地獄でした。薬も人でも足りず、助かる見込みのあるものだけが、麻酔なしで手足を切り落とされ、ようやく生かされる、そんな状態でした。そこへ担ぎ込まれてのが、例の坂本一等兵、軍医の岡部(芦田伸介)出血多量で助からないと、処置しようとしませんが、さくらは坂本一等兵に懇願され、岡部に輸血するよう頼みます。そして、その代償に、岡部に夜部屋に来るよう命令されます。しかし、この岡部、戦地でのストレスを紛らわせるため、モルヒネ依存症に陥っていて・・・
 一応は、戦闘もあり、戦争映画の趣をとっていますが、実はそうではないでしょう。戦地に行きたくないため、病人を装っている坂本一等兵、そして、その坂本一等兵に沢山の患者の眼前で犯されるさくら、戦争で両腕を失い、将来に絶望した折原一等兵との情交、さらに、戦闘と医師としての尊厳が保てない医療行為のため、不能となってしまった岡部との情交、まさに極限状態での男と女の愛です。しかも、画質はざらついたモノクロです。なまじっか色が付いていないため、手術、戦闘、情交のシーンがよりリアルに感じられます。増村監督の演出がひかります。
 この映画、我が国よりフランスでの評価が高いそうです。戦争映画ですが、女の視点から、極限状態の愛を描いていて、そういった斬新さがうけたのかな?

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