幻の大山道場の組手―かつて地上最強の空手は実在した (BUDO‐RABOOKS) の感想

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参照データ

タイトル幻の大山道場の組手―かつて地上最強の空手は実在した (BUDO‐RABOOKS)
発売日販売日未定
製作者渡邊 一久
販売元東邦出版
JANコード9784809411182
カテゴリ » ジャンル別 » スポーツ・アウトドア » スポーツ

購入者の感想

著者は、極真空手の創始者である大山倍達総裁が大山道場で指導していた時代の初の師範代。
極真を離れて事業を営んでいたものの、大山総裁亡き後、当時の大山空手で培った技を確り後世に伝えるべく、「伝承空手」を創設し当時の技を解説。
内容は現在の極真と共通する点と異なる点があるが、大山道場では怪我などには配慮していなかった感じが強い。
一方で、真に強さを求めていた姿が窺われる。
試合などに参考となる点は少ないが、空手の本来の姿である護身には非常に有効な一冊である。
「空手バカ一代」に登場する名前がたくさん出てきてファンにはたまらなく嬉しい。
ただ、当シリーズは誤字が多く、編集に際して校正にはより注力していただきたい。

伝統的な空手が、フルコンタクトカラテになるまでの間となる部分が鮮明に描かれています。寸止め空手よりフルコンタクトカラテの方が強いと思わされてきましたが、本当にそうなのだろうか、といつも疑問に思ってましたが、この本を読めば、その解答が得られるかもしれません。

顔面への手の攻撃も、金的攻撃も、つかみも投げもないルールは、時代背景と大山氏の(いい意味でも、悪い意味でも、)野心と理念から生まれたのだろうと理解できます。プロレス、ボクシング、そして当時デビューした頃のキックボクシング、その次を狙ったエンターテイメントとしての格闘技を目指したのでは、と思えるのです。それぐらい反対に言えば大山氏には商才があり、また頭脳もバツグンに良かったと思っています。しかし、一撃必殺の武道からはドンドン遠ざかり、成績優秀な弟子達のなかにもこのルールに疑問を持つ人達が現れ、また自らも実戦的武道ではなくなってきていることにも気付き、だから、かっての大山空手を共に創ってくれた渡辺氏にもう一度、極真会に戻ってほしい旨を伝えたのだと思います。

この本に書かれている技術は、今の洗練化された格闘技を知るものからみれば、カビが生えたような古い概念にしか思えないのかもしれませんが、ただ一つ大切なことは、反復練習を鬼のように繰り返すなかで、電光発火の技は磨かれることも確かだと気づきます。(著者は76歳の高齢ですが、実践で彼に勝てる気がしない。本当の生きた達人を、初めてみる想いです。)ちなみに、フルコンタクト空手ではあまり通用しない技術なのですが、顔面突きありの防具付き空手や日本拳法でなら、そのまま通用するテクニックのオンパレードです。つまり、あの頃の大山空手に近いのは、、、。

だが、ある意味完璧なルールというものは、最終的には殺し合いになってしまうので、存在しないと思います。だから、もう一つ別の武道をやってみるのもいいのでは、とも思います。(実際、初期の極真空手においても、ある段以上を所得するために、他の武道の初段以上の段位が必要とされたとも聞いています。自分のなかで武道を統合し、自分に適した新しい形を創っていくのも武道の楽しみだと思います。フルコンタクトと防具付き空手の両方を経験すると、お互いの欠点、長所が本当によくわかります。)

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