層・圏・トポス―現代的集合像を求めて の感想

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参照データ

タイトル層・圏・トポス―現代的集合像を求めて
発売日販売日未定
製作者竹内 外史
販売元日本評論社
JANコード9784535781092
カテゴリ »  » ジャンル別 » 科学・テクノロジー

購入者の感想

この著でゼミを行っていた者です。
あまりに苦心惨憺を知らず無責任な評ばかりなので、数学書としての明確な欠点をここに記しておく事にします。

・証明の不備(明らかだと言っているが定義が不十分で位相空間になっていない) [p.19]
・未定義の概念(関手の同型) [p.74]
・意味の不明瞭な図式を論証に用いる [p.78, 80, 87]
・どう考えても別の証明法の方が楽 [p.80, 97]
・記法による混乱(対象について成り立つ事を、同様な記号を用いている射にも誤って適用している) [p.85]
・示されていない定理が用いられているとしか考えられない(等式変形で暗黙に「同型な関手は極限を保存する」事を用いている) [p.85]
・結論までに明らかな飛躍がある(射の同型対応だけ示して対象は同等か示されていない) [p.85]
・日本語として不明瞭("A∧B⇒C"を「ところで A であるから B であることから,C.」と書いている) [p.97]
・明らかな論証の誤謬(<d,B> は実際は d×B であるがこれが mono である事は示していない) [p.98]
・同じ証明をしている(補題 3 は定理 2 の中で示されている) [p.98]
・明らかな論証の誤謬(右の図式は実際には pullback でない) [p.103]
・例に乏しい
・反変関手、忘却関手、米田関手などの名前を用いない為他の本を参照し難い

一部我々の力不足もあるかもしれませんが、まぁこんなネタが見についたところで一文の得にもなりません。
真面目に取り組むのであれば即刻別の本を検討すべきです。
これを「名著復刊」だの「圏論の入門書」だのと称賛・喧伝するのは羊頭狗肉も甚だしいと言う他ありません。

竹内外史先生は、集合論の著書などで知っている人も多いことでしょう。
この本はその、竹内先生が書いた「層・圏・トポス」の入門書です。
とはいっても竹内先生の書いた「現代集合論」と同様、
(私のような数学の非専門化にとっては)
多少歯を食いしばって読まなければいけないのも確かです。

しかし、レベル的には”ハイパー高校生”くらいなら
読めるレベルに仕上がっており、マックレーン先生の
「圏論の基礎」を読むことに比べればはるかに敷居は低いです。
(と・・・思います(^^;

本書は、層、圏、トポスと表題がありますが、実は、圏論の
話というよりは、論理学の話が最終目標です。
論理学も、1階の述語体系、2階の述語体系、
高階の述語体系 etc.
といろいろありますが、それら、それぞれの体系を
いったいどのように、現代数学としてまとめていくのかという
問題があると思います。
それに対して、現代流にいうと、
「ある、論理構造を持つ述語体系はすべて、トポスに1対1に対応する」
つまり、トポスを研究すればことたりる、と(私の勉強が正しければ?)
(ごめんなさい、たぶん合っていますが、厳密には自信ないです)
そういうことを目標にしています。

ただ、トポスという概念は、とてもわかりやすく、
「生成文法の体系が、トポスに含まれる」
ということ自体は、高校生でも分かるくらい簡単に、証明できます。
(私は、数日でできました)
あとは、「トポスの体系は生成文法の体系に含まれる」ことを
証明できれば?(未だに証明できていません)
間接的に、

「ある、論理構造を持つ述語体系はすべて、トポスに1対1に対応する」

が証明できます。

ちょっと、与太話でした。

この本で影響を受けた人は多いらしく、
「圏論による論理学」を書いた清水義夫先生も

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