ギター・マガジン ソロ・ギター練習帳 レベルアップ必至のトレーニング&スコア (CD付) (リットーミュージック・ムック) の感想

楽器店に行くと良く目にするこの「〜の練習帳」シリーズ。
今まで刊行されたアコギやベース･ドラムなどの練習帳が大体Ａ５サイズだったのに対してソロ・ギター版はサイズがＡ４ぐらいに大きくなっている。
それもそのはず。こちらはいわゆる入門者向けではない。なかなか濃い内容で、タブ譜から指使いまで詳しく載せるにはこのくらい大きくなければ読めないだろう。

今までピック弾きでジャカジャカ伴奏を弾いたり、単音のフレーズだけでギターを弾いていた人が、フィンガーピッキングでソロギターに挑戦する時に、上手く行かず壁にぶつかる事が多い。(そもそも私もその1人です)
その壁を乗り越えたい人にお薦めです。
ピックでばかり弾いていた人が、急に指で弾きはじめると、無理な力がかかって身体が痛くなります。
なんとこの本は、指弾きをする為の身体のメンテナンスやエクササイズから始まります。おっさんギタリスト達の事も考えてくれているじゃないか。

序章は指弾き初心者にも、無理なく弾ける内容。そこから右手編、左手編と続いて行くのだが、右手編だけでも最後まで全部やろうとすると結構大変。フレーズもクラシックギターとは勝手の違うコンテンポラリーなものが多くリズムも少し複雑だ。弾けたらかっこいいけど。その辺は付属のＣＤを聴いて一応内容だけは理解。という感じで苦手なものも出てくるはず。ま、すぐには弾けません。そこは練習帳なんで、ひたすらコツコツやるしかないかと。
ある程度慣れたら⇒課題曲、という流れは教則本によくあるパターンだけれども、課題曲が結構有名な曲が多いので、若干頑張れます。

いつか押○コー○ローみたいにカッコよく弾けるようになりたいから、毎日まじめにコツコツと練習したい人には良いだろう。また同出版社から出ている「ソロ･ギターのしらべ」に挑戦して挫折した人にも、苦手なテクニックを抽出して練習出来るのでお薦めだ。(巻末に「ソロ･ギターのしらべ」著者の南澤氏と本書著者の対談も有り)

確かに挫折ポイントはいくらでもある。ハイテク編はもうチューニングから変わっている。しかしこういったギターの奏法に挑戦してみたい人が多いのも事実である。有り難い一冊。