春画のからくり (ちくま文庫) の感想

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参照データ

タイトル春画のからくり (ちくま文庫)
発売日販売日未定
製作者田中 優子
販売元筑摩書房
JANコード9784480425898
カテゴリジャンル別 » アート・建築・デザイン » 日本の伝統文化 » 浮世絵・絵巻物

購入者の感想

日本における春画(鈴木春信から歌川歌麿が中心)が、西洋や現代のポルノグラフィと一線を画している要因を「隠す」「覗く」「テクスタイル」と言う三つの視点から解き明かしています。

そもそも春画とは「笑い絵」とも言われ、「笑い」の対象として見るものだと言います。
その典型的な例が「覗き」で、そもそも「覗き」をする人物を揶揄しています。日本の家屋の構造からして、セックスは見られることを前提としてしか成り立たず、「覗き」をするのは下司な行為と見られていたようです。

更に、日本の春画は物語性が強く、背景をしっかりと描いています。そのために、「テクスタイル」の繊細で優雅な描写があり、それは着ている人物の表現にもなっています。

同時に、そうした「テクスタイル」は、「隠す」と言うことでも大きな役割を果たしています。「隠す」ことによって、一点を「顕す」効果を果たしているとしています。

こうしたすべてのことを総合すると、男だけが見るものではなく、誰でもが見る「芸術」の域に達した絵画の一ジャンルと言うことが出来るのかも知れません。

この本を読むと、たかが「春画」とバカにしてはいけない、日本の優れた文化の一つなのだと言うことが解ってきます。

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