Variety (30th Anniversary Edition) の感想

竹内まりやさんが1984年にリリースしたシンガーソングライターとしての復帰第一作。1981年に喉を傷め入院した事（ポリープ寸前）やアイドル的な活動と自分がやりたいことのギャップへの疑問を持ち活動休止。そして1984年に歌手活動を再開しますが山下達郎さんの話によると当初、楽曲製作はアイドル時代同様外部の作曲家に依頼し記念碑的なアルバムにする予定でしたが、まりやさんが活動休止中に書き溜めた楽曲のデモテープを聴いてあまりのクオリティーの高さに驚き全曲を竹内まりやさんの作詞・作曲で行くと決めたそうです。ホントこのアルバムには捨て曲が一曲も有りません。楽曲『もう一度』や『プラスティック・ラヴ』『マージービートで唄わせて』等今聞いても色あせない名曲ばかりです。そして私は1986年に発売された初版のCD盤を所持していますがその頃から音質が良いと感じていましたが、今回30th Aniversary Editionを聴いて更に上を行く音質の良さに驚いてしまいました。話はがらりと変わって私事になりますが1981年就職の為地方から上京し1982年に初めて自家用車を購入し、うれしさのあまり毎週土曜日夜に国道246号線を下り湘南方面にドライヴしていましたが、その時のBGMが本作品です。当時は寮の二人部屋生活でヘッドホンでしか鑑賞出来なかったので自動車の中が大音量で鑑賞できる良いリスニング・ルームでしたね。そういえば当時失恋した時も楽曲『もう一度』を何回も繰り返しリピートで聴き感傷に浸っていました。今思えば良き青春の想い出です。

　この作品が発売されてからもう３０年ですか！発売当時は自分はまだ２０代後半だったとは。
　さてこの作品がリマスターされて、どれほどの結果だったか？結論としては「最新録音」と言われても納得してしまいます。
　高音ののびが良く、ボーナストラックの「カラオケ」を聴くと、かなり細部の音まで、しっかりと再現されているとわかります。できるだけ良い再生装置で聴いて視て下さい。「SACDです」と言われても、信じてしまう位、明瞭な音質です。各曲も改めて聴いてみて、良い作品であると言えます。この調子で、後のアルバムもリマスターされるのでしょうか？是非、お願いしたいです。
　素晴らしい！

　本編は彼女の代表作で捨て曲なし。

　今回はボーナストラックだけで十分買う価値があると思います。
カラオケは好き好きでしょうけど「プラスチック・ラブ」の12inchシングルのヴァージョン（？）が収録で価値あり。

　個人的にうれしいのは「赤いエナメル」。
ライナーみるとお蔵入りしていたデモヴァージョンらしいですが、これで、中森明菜のアルバム「クリムゾン」に提供した５曲がすべてCD化されたことになります。その５曲はほんと名曲ぞろい。聴き比べても楽しいでしょう。
「駅」「Oh!No!,Oh!Yes」はアルバム「リクエスト」等収録
「約束」は「デニム初回盤」収録
「ミックジャガーに微笑みを」はオムニバス「Maria Songbook」に収録。
　出来栄えは聞く人によってちがうと思いますが「ミックジャガーに・・・」「赤いエナメル」は明菜に軍配、
「約束」「Oh!No!,Oh!Yes!」はまりあ、「駅」は甲乙つけがたしと言ったところです。

　最近なにかで聴きましたが、まりあのベスト盤で山下達郎氏が中森明菜「駅」について批判してりましたが、中森明菜本人ではなくアレンジ等についてなどとフォローがありましたよ。ひとまずわだかまりが無くなってホットした感じです。ですが、明菜のアレンジした方、まりあが作った曲を数多くアレンジしている方では・・・・。

　RCA時代も好きですのでぜひリマスターして全曲BOXで出して欲しいです。