ニュー・サウンズ・イン・ブラス 2014 の感想

岩井さんの件もあり思い出し、
過去のニュー・サウンズ・イン・ブラスの曲を聞いていまして
新しいアルバム・楽曲が出ていましたので購入してみました。

私のお気に入りは、
トラック5の「アメリカン・パトロール」です。「こうなるか！」と思ってしまいました。

その他、お馴染み？のジャパグラ代わりとしてでしょうか。
ダンス・リミックス2曲は比較的最近の曲も入っていて聞いていて新鮮でした！

全体的に聞いていて最近の曲ですので、演奏会等に使いたいです。

ニュー・サウンズ・インブラスはやっぱりおもしろいです。

ホルストの代表的な吹奏楽曲「吹奏楽のための第一&第二組曲 NSBスペシャル」が、三浦秀秋氏によってリズミカルなアレンジとして提示されました。メロディのエッセンスが編み込まれ、リズムが強調されたアレンジは好みが分かれると思いました。
名人揃いの東京佼成ウインドオーケストラですので、各パートの切れ味は抜群で、躍動感が伝わってきました。ソロ・パートの時に音色の差がでそうです。もう少し長い曲だと堪能できたのですが。
なお、これは標準編成で42人の奏者を想定しています。小編成の設定奏者数は24人とのことですから、メンバーの少ない高校生でも演奏できるのはよい工夫です。

金山徹編曲の「ディズニー・ファンティリュージョン!」は小編成での演奏とのこと。リーフレットの解説を書いている作曲家の森田一浩氏の解説によれば、演奏グレードを易しく設定した新版とも言うべきアレンジのようでした。

天野正道編曲の「アメリカン・パトロール」は実に魅力的なアレンジで気に入りました。最初のハーモニーの美しさは特筆モノですし、ラテンのリズムで繰り広げられるパートは原曲をより楽しくするもので、よい印象です。食傷気味の曲もこのように和声とリズムの変化を伴うと新鮮な気分に包まれるという証明の様な音楽でした。

真島俊夫氏の「ブラジル」は「ニュー・サウンズ・イン・ブラス」のイメージ通りの音楽でした。岩井直溥さんのイメージが伝わってくるのは伝統の重みなのでしょう。

鈴木英史氏の編曲「君をのせて ~『天空の城ラピュタ』より (二部合唱付)」は合唱付きで、歌っているのは東京都立杉並高等学校吹奏楽部のメンバーでした。高校の合唱団のメンバーではなく、吹奏楽部の生徒に歌わせたのは正解でしょう。素直な発声がこの曲の持つ寂寥感がストレートに伝わってきます。３分強の花園彩子さんのソロは、思春期の女の子の純粋さが見事に表現されていました。収録曲の中で一番印象に残った演奏でした。よい演奏を聞かせてもらったと思っています。

吹奏楽関係者なら必ず耳にしたことのあるグスタヴ・ホルストの組曲のスペシャルアレンジ版、
また吹奏楽ポップスの定番である「ディズニー・ファンティリュージョン」の新編曲版が収録されているということで、これは是非聴いてみたいと思い購入した。
たぶん同じ理由でこのCDが気になっているという方が多いと思われるので、この2曲のレビューを中心に書く。

1曲目の「吹奏楽のための第一＆第二組曲　NSBスペシャル」。一組と二組をポップス調にアレンジしたものであった。
一組のシャコンヌから始まり、ドラムスのリズムに合わせてインテルメッツォ、マーチと懐かしい旋律が各所に散りばめられている。
ただ、やはり元があの大曲である以上、それをポップスにするのは少し無理があるなぁという印象を受けた。
一般にはウケないと思われるのでコンサート等でも使えなさそうである。
とはいえ吹奏楽ファンにとっては面白い曲であった。

2曲目の「ディズニー・ファンティリュージョン」。
ブックレットにある解説によれば「星出尚志版の続編、あるいは演奏グレードを易しく設定した新板」とのことで、星出氏編曲ではカットされた「悪役たちのアンダーライナー」もしっかり収録されている。
私としてはこの曲にかなり期待を寄せていたのだが、・・聴いてみるといまいちインパクトに欠ける印象を受けた。
演奏時間も4分56秒ということで、この時間で三部構成というのはかなり慌ただしい。
小編成用ということもあるのか、あるいは思い出補正とも言うべきなのかもしれないが、これなら星出氏版のほうが良いかなと思う。

以上、上記2つの曲を目当てに買った者としては期待ハズレという感じがしたものの、
3,4曲目の「ダンス・リミックス」などポップスステージで人気の出そうな曲はしっかり押さえており、
他の曲はいつものNSB同様に安定感のある編曲で楽しんで聴くことが出来た。