小説 あらしのよるに (小学館文庫) の感想

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参照データ

タイトル小説 あらしのよるに (小学館文庫)
発売日販売日未定
製作者きむら ゆういち
販売元小学館
JANコード9784094083293
カテゴリ文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » か行の著者

購入者の感想

映画版「あらしのよるに」を観て、

もっと「あらしのよるに」を知りたいと思い、この小説を購入しました。

2匹が互いの正体を知ってから気を許すようになるまでの過程、

お互いの立場に苦しみ揺れ動く2匹の心、

尊敬していた者に裏切り者として追われるガブの不安と苦しみ、

メイの肉食に対する嫌悪感とその気持ちの変化、

追われる不安、疲労、恐怖の中で2匹の間に生じた確執、

そしてその中でさらに深まってゆく2匹の絆 など

映画版に描かれていなかったエピソードや各シーンのキャラクターの心情が

より鮮明に、より奥深く描かれているので、

壮絶な試練のときを駆け抜けた2匹の気持ちが痛いほど伝わってきます。

映画版で「えっ?」と違和感を感じた人も納得のいく内容です。

エピローグは想像以上に衝撃的なものでした。

最初に読み終えたときはあまりに衝撃が大きすぎて涙も出なかった。

2回目を読み終えて映画版を見直したとき、

映画のラストと小説の結末を繋げて考えてしまったために

切なさで胸がいっぱいになり、涙がどっと溢れ出し、止まらなくなった。

ただただ純粋で、素直で、真っ直ぐに相手を想う気持ちが

これほどまでにいとおしく、切なく、かけがえのないものに感じられるとは・・・

相手を想うことがどれほど大切なことなのか改めて気づかせてくれ、

この想い、この感動をずっと持ち続けていたい、

小説版「あらしのよるに」はそう思える本でした。

長くなりましたが、最後にこれからこの小説を読む人にアドバイス。

この小説を読み始める前に、一度、この本のカバーを取り外し、本の裏側に

書かれている「もの」に目を通してみてください。

たまたま高校で観た映画版に感動し、「もっとあらよるをみてみたい。」と思って買ったのがこの小説版でした。

原作者のきむら先生も「あらよるの決定版」と言っていたので大いに期待して読んでみましたが、まさかここまで泣けるとは・・・

 

とにかく映画版と違ってより中身が深いです。映画にはないストーリーもあり、「なんで映画には無かったの?」といえるような感動の要素も数多くありました。

中でもエピローグには大号泣です!!たった2ページと1行しかありませんが、この中に物語の集大成とも言うべき感動が詰まってます!人によっては「えっ、こんな終わり!?」という人もいるかもしれませんが、ガブとメイの二匹の「絆」(恋愛?)を完結させるにはやはりこんな終わり方が一番なのかなと思いました。

 

この作品は世代を問わずたくさんの人に見てもらいたいです。そのくらいすばらしい作品です。私自身一生大切にしていきたいと思いました。

(あとできれば一人で静かなときに読むとより感動できるかと思います。)

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