2020年日本から米軍はいなくなる (講談社+α新書) の感想

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参照データ

タイトル2020年日本から米軍はいなくなる (講談社+α新書)
発売日販売日未定
製作者飯柴 智亮
販売元講談社
JANコード9784062728645
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 軍事 » 軍事入門

購入者の感想

自国の国益を基準にして、日本に装備を売り、軍隊を配置する米国の「明確な」考え方がわかりやすく示されています。さすが元米軍大尉ですね。特にP.115の「自衛隊は米軍のためのもの」で示された事例には説得力がありました。また台湾の存在の重要性は考えたこともありませんでした。
ご自身は陸軍の出身でありながら、日本の場合、新しい戦車などは不要で、人数の多い陸自を減らして、海と空の人員と装備を充実させろという提言にも「なるほど」とうなずけました。
タイトルの米軍の撤退時期が「2020年」というのは極端ですが、十分ありうることだと思いました。でもそれまで中国という国に何らかの「綻び」(政治的、経済的、軍事的 etc)が生じる可能性の方が高いような気もします。

最近、中野剛志氏の『世界を戦争に導くグローバリズム』を読んだが、その本で「オフショア・バランシング」なる議論が米国の国際政治論や軍事戦略の中で浮上してきている、という話があった。
経済的にはリーマンショック、軍事的にはイラク戦争の失敗によりアメリカの一極覇権は崩壊し、「世界の警察官」の地位を放棄せざるを得なくなったアメリカは、漸次ユーラシアから撤退し、米大陸ブロックのみの覇権に縮小する(いわばモンロー主義回帰)可能性を同書は示唆している。結果として、東アジアの覇権は中国が握ることになり、日本は単独で中国の脅威に対峙することになる。左派、保守派ともに「日米同盟」の存在を前提にした議論しかしていない日本は、ここでアメリカが手を引いたらどうするつもりか?という警鐘を鳴らしている。

普段は軍事関係の本など読まない私だが、上記の本の印象が頭にあったので、書店で『2020年米軍は日本からいなくなる』というタイトルを見かけ、思わず買ってしまった。
本書にも「オフショア・バランシング」の話はちょっと出てくるが、基本的には軍事的・戦略的な観点から米軍の動向を分析・予想している。
すでに、戦闘機・ミサイルによる中国の実質的制空力は沖縄・九州を包含しており、有事には沖縄などは中国の第一撃に晒されるから、リスク分散として、米軍のグァム・オーストラリア・フィリピン等への戦力分散化の動きが現実に始まっているとする。
中国の軍事大国化がこのまま進行し、万一、空母20隻に相当するという台湾を併合することになれば、この動きはさらに加速化し、早晩、米軍の全面撤退もありうる、という話である。

それでは今後の日本の軍事戦略はどうすればいいのか、という話になるが、聞き手の小峯隆生が軽いノリ(悪ノリ)で「朝鮮出兵」だの「台湾日本統治2」だの「大東亜共栄圏の再建」だの言い出すあたりはゲンナリした。

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