バスケットボール 監督・コーチ入門 の感想

本書は、京北高等学校のバスケットボール部の監督でいらっしゃる
著者が、バスケットボールの指導者や監督やコーチとして知ってお
くべきことをイラストつきで分かりやすく提示したものである。

本書の構成は６章構成になっており、第１章では各年代別の指導者
としての心得がまとめられている。第２章ではチームの分析と指導
について、第３章では目標の立て方が、第４章ではチーム作りにつ
いて、第５章では京北高校の練習メニューの一部が書かれている。
最後の第６章では試合や大会に向けての準備や試合中のタイムアウ
トや選手交代についてまでまとめられている。

本書の特長は、バスケットボールの指導者や監督として知っておく
べき「いろは」が、実に幅広くまとめられていることである。この
一冊を読むことで、チームの能力の把握のポイントや、基礎技術の
練習の仕方や、短中長期の目標の立て方、選手の目的意識の養成の
仕方、メンタルの鍛え方、練習ドリル作成のポイント、そして練習
試合や大会への準備の仕方まで一連の概要が分かるのが有難い。

また、イラストも豊富に付されており、視覚的に分かりやすい上に
気軽に読み進めることができるのも嬉しい。また、平易に書かれて
はいるが、本書に提示されているエッセンスは濃いものである。

中学や高等学校の教育現場では、専門でない（一般教科の）先生方
が忙しい仕事の合間を縫って部活を持つことが一般的である。本書
は、特にそういった現場の先生方に、バスケットボール指導の取っ
掛かりを与えてくれると思います。