体の知性を取り戻す (講談社現代新書) の感想
参照データ
タイトル | 体の知性を取り戻す (講談社現代新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 尹 雄大 |
販売元 | 講談社 |
JANコード | 9784062882804 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » 人文・思想 » 哲学・思想 |
購入者の感想
フリーランサーのインタビュアー/ライター尹雄大氏の新著は、「小さく前へならえ」の号令に象徴されるぎこちなく縮こまった体、扱いやすいよう製品化された体から、かつて幼子の頃誰もがそうであったように体中で世界を感じ、屈託なく笑ったり泣いたりできていた体をもういちど目覚めさせようとする試みである。
著者がさまざまな武術を通して生きることのわからなさを探っていく体験を追ううちに、自分が慣れ親しんだ「現実」を現実のすべてと思いこみ、苦しくてもそこに依存さえしていたことに気づき、眠りから覚めるように心と体が軽くなっていくのが感じられた。
武術を学ぶひとや医療など体を専門に扱うひとたちだけでなく、学生や主婦やフリーターや、日々の暮らしのなかでなんとなく言葉にできない違和感や微妙なしんどさを感じているひとにこそ本書を勧めたい。
与えられた「正しさ」に照らし合わせては不安になることから離れ、自分の感覚に耳を澄ませて、ただの体で歩きはじめようとするとき、未知の暗がりのなかで静かに手を添えてくれるはずだから。
著者がさまざまな武術を通して生きることのわからなさを探っていく体験を追ううちに、自分が慣れ親しんだ「現実」を現実のすべてと思いこみ、苦しくてもそこに依存さえしていたことに気づき、眠りから覚めるように心と体が軽くなっていくのが感じられた。
武術を学ぶひとや医療など体を専門に扱うひとたちだけでなく、学生や主婦やフリーターや、日々の暮らしのなかでなんとなく言葉にできない違和感や微妙なしんどさを感じているひとにこそ本書を勧めたい。
与えられた「正しさ」に照らし合わせては不安になることから離れ、自分の感覚に耳を澄ませて、ただの体で歩きはじめようとするとき、未知の暗がりのなかで静かに手を添えてくれるはずだから。