DRAMAtical Murder DramaCD Vol.1 の感想

時間軸が本編→リコネクトの後の話なので、後日談の後日談という感じでしょうか。
アニメ化の影響もあってゲームを始めた方はそのまま本編→ファンディスクのリコネクト→
このCDと続けて聴くと幸せになれると思います。紅雀好きな方は特に。

お値段が少し高い感じもしますが、ディスク2枚組、収録時間はそれぞれ約1時間ずつの
計2時間なので、かなりの大ボリュームです。しかも、主要キャラの蒼葉、紅雀だけではなく
紅時雨のメンバーやミズキ、蓮、タエ、羽賀さんなど二人を取り巻く面々に子供紅雀と蒼葉、
紅雀の母親など要所にだけ登場するキャラまで出て来てくれるので、ゲームをやっている時と
全く同じ感覚で聴けてそれだけでも嬉しいのに、シナリオが素晴らしくて大満足でした。
紅雀のお母さん…とても素敵です。登場シーンは僅かなのに、とても印象強いです。あの
人が母親だったからこそ今の紅雀がいるんだと思うと納得するしかない。

ドラマCDのシナリオも淵井さんが担当していてかなり期待していたのですが、予想以上に良かったです。
紅雀の実家の内情や本編、リコネで語られなかった部分の補足、紅雀がいつも付けている簪に
ついてなど知らなかった、知りたかった部分まで描かれていて、それに対する彼の抱えていた想いと
葛藤が切ないです。
いつも通りに振る舞っているつもりでも、ほんの僅かな違いに気付いて気にかけてくれる蒼葉の
さりげない優しさ、紅雀の背負うものと犯した罪と、それら全てを受け止めて背中を押し、共に歩んで
くれる強さと絆の深さは、お互いが心の支えだった幼馴染故の物なんだと思うと胸がいっぱいになります。
ラストの迷いが晴れて吹っ切れた後の紅雀の台詞が本当に素敵で、幸せになって欲しいと心から
願いたくなります。同時に、ああ、終わったんだな…とどこか切ない余韻も残してくれますが。
いとうかなこさんのED曲も相まって、聞き終わった後の充足感が堪りませんでした。
ドラマティカルマーダーというゲームの、紅雀と蒼葉の物語の本当の意味での完結編だと思います。