ドラッカー名著集10 産業人の未来 (ドラッカー名著集―ドラッカー・エターナル・コレクション) の感想

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タイトルドラッカー名著集10 産業人の未来 (ドラッカー名著集―ドラッカー・エターナル・コレクション)
発売日販売日未定
製作者P・F・ドラッカー
販売元ダイヤモンド社
JANコード9784478001233
カテゴリビジネス・経済 » 経営学・キャリア・MBA » アメリカMBA・名物教授 » ピーター・F・ドラッカー

購入者の感想

オリジナルは1942年リリース。『「経済人」の終わり 』に続くドラッカーの第2作である。1933年、自ら発表した論文がナチスの怒りを買うことが間違い無いと判断し、母国と職を捨てアメリカに渡り、命がけで出版した『「経済人」の終わり 』と同様、ドラッカーのファンダメンタルを知る上で他の作品と『同等』には考えられない作品である。

『「経済人」の終わり 』と続けて読むとすぐに感じることだが、ドラッカーはこの時、ひとつの問題意識を持ち続けていたことが分かる。それは、『なぜファシズム(全体主義)が出現したのか』というものだ。それに対してドラッカーは、『「経済人」の終わり 』の中でこう書いている。『古いブルジョア資本主義が崩壊し、その後に人間の自由を基礎とする社会が形成されなかったために、民衆は絶望し、矛盾に満ちたナチスにすがったからだ。』

そしてこの本ではそこから一歩踏み出し、こう訴えている。ファシズムが二度と出現しないように、できる限り早く新しい自由な産業社会を形成すべきだ。そしてその社会を形成するのは、政府や政治家や官僚ではなく、『企業経営者』であると断言する。ここに多くの人は注目し、GMの副社長から、GMを調査研究する依頼を受けることになる。これがドラッカーのマネジメントの世界への入り口となった。

これに続く第3作『企業とは何か』(1946年)では『企業に対して政治学的アプローチをしたい』と主張し、その後の著作でその『施策』がリリースされてくることになる。それを読み解く重要な鍵がこの第2作には詰まっている。

既存のヨーロッパ社会の凋落と全体主義の台頭を自身の眼で見た稀代の経済学者の『政治の書』として極めて価値ある著作である。ドラッカーの『土台』を知る上で読み逃しが許されない一冊だ。

本書は「経済人の終わり」で全体主義の恐ろしさと、それを繰り返してはならない、
というドラッカー自身の主張を踏まえて展開したものです。

全体主義に陥らないためには、
個々の人間としては、自由=責任であることが重要であるとし、
組織には権力が不可避だとしたうえで、社会的責任を果たす為に、
権力の正当性を証明することが重要であるとしています。

今の日本は、これを踏まえていません。
個々の人間は、自由を自己満足とし、不満があれば誰かに責任をなすりつけ、
組織は自己保身のために、様々な受益者を不幸にしています。

ドラッカーはマネジメント領域では有名ですが、
社会学者・経済学者としての側面は注目されていません。
しかし、彼がマネジメント領域に入っていったのは、
本書の主張を実践するためには、マネジメントが重要であると考えたからです。

ドラッカーの著作を理解する為には、
「経済人の終わり」と本書を読まなければ理解することはできません。

そのうえで、「企業とはなにか」「現代の経営」「マネジメント」を
読むべきです。

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