がんより怖いがん治療 の感想

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参照データ

タイトルがんより怖いがん治療
発売日販売日未定
製作者近藤 誠
販売元小学館
JANコード9784093883924
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購入者の感想

コンパクトな本ですが、医療に関する近藤さんの考えのエッセンスが詰まっています。「がん放置療法」に至った経緯が治療法の変遷とともに悔恨も含めて率直に書かれています。医療システムの欠陥を知って自衛してほしいという近藤さんの願いがそこかしこに感じられました。大学での長い講師生活が回顧され、教授選の裏話などとても興味深く読めました。

私は20年ほど前にある漢方医の本を読んで、がんの検診も治療も受けない方が良いという考えを初めて知りました。そして職場の胃がん検診を拒否してきました。本当は定期健康診断そのものを拒否したかったのですが、そこまでの勇気はありませんでした。(近藤さんはさすがに定期健康診断も拒否しています。)
もちろん人間ドックにも行きません。退職してからは特定健康診査の受診券が毎年送られてきますが、ゴミ箱に直行しています。
自分ががんに罹っているかどうかなど知る由もないし、知りたいとも思いません。たとえ症状が出ても治療は受けないことにしています。
がんは怖いが、がんの治療はもっと怖い。書名の通りです。がんより怖いものを受け入れる勇気は私にはありません。(同じような理由で薬も飲まないし、ワクチンも打ちません。)
がんより怖い治療が待ち受けている検診制度が意味のない制度であることは言うまでもありません。

近藤誠氏の過去の著作からは標準治療とされるガン治療を受けたために塗炭の苦しみの結果、玉砕したいった患者、その家族たちの慟哭が伝わってくる。
一方、反近藤理論を唱える医師たちは、近藤理論を是としたが故、或は近藤セカンドオピニオン外来で放置のアドバイスを受けたがために治るガンも治らず手遅れになったと再三強調している。
しかしこの類のやりとりは第三者にとってやや食傷気味ともいえる水掛け論である。
そろそろこのレベル、あるいはこの延長線上の論争は見切るべきだろう。
人知、人生観、世界観にかかわる決断は何人の人生の中で必ず幾度か襲ってくるメインテーマである。
肯定側、否定側どちらの主張も虚心に検討し、結局最後は、各自の知性と理性によって総合判断し、そして最終責任を必ず自分でとる覚悟こそがいつの時代でも要求されるのである。
私は決して近藤理論に無条件に心酔している者ではないし、といって反近藤理論に与している者ではない。
ただ次の2点だけはここに強調しておきたい。

1点、本書の特に5章以降は是非一読に値する点。
2点、これまでの反近藤理論本を見る限り筆力が貧弱なせいか、現時点まで世論の受容が不本意
   な点。
やはり専門家が一般国民に強力なメッセージを送るにはスポークスマンとしての能力、つまり筆力が必須なのである。
衆目の見るところ近藤理論が誤りとの快刀乱麻を断つ旗手が壇上にデビューすること、これこそ世論は渇望している。私は正しい、近藤理論は誤りとする著作を上梓するだけでは国民は決して動かない。自論を正しいと説得できる筆力、つまり個人の総合力が論争を帰着させることを忘れてはならない。繰り返すが、俺は正しいだけでは駄目なのである。

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