人狼読本 (ファミ通BOOKS) の感想

人狼関係のインタビューと商品説明は良かったです。

ただ、本の全体の3分の２を占めるリプレイはもっとどうにかならなかったのかな……。
リプレイは初めての人でもわかりやすいのと名勝負の２つだけで良かったと思う。
長い方のリプレイは、ネットにあがっているリプレイと比べると何か読みづらい感じがしました。

さまざまな人狼コミュニティを網羅的にまとめあげた、人狼へのリスペクトに溢れた本です。
特に、人狼界隈の商品・サービス・番組等の紹介の章となっている『人狼PEDIA』が特筆ものです。そのインタビュー対象たるや豪華絢爛。

・ninjin氏（人狼BBS）
・ニッツ氏（汝人狼也）
・児玉健氏（ドイツゲームスペース@Shibuya）
・渡辺範明氏（ドロッセルマイヤーズ）
・白坂翔氏（株式会社人狼）
・鈴木数久氏（人狼ゲーム〜牢獄の悪夢〜）
・横森へるお氏（よだかのレコード）
・桜庭未那氏（人狼TLPT）
・工藤雅之氏・刈谷圭司氏（アークライト：究極の人狼輸入元）
・会田孝氏（ホビージャパン：ミラーズホロウの狼男・タブラの人狼日本語版）
・丸田康司氏（すごろくや店長）
・双川正文氏（フジテレビ『人狼〜嘘つきは誰だ？』プロデューサ）
・中島啓介氏（TBSテレビ『ジンロリアン』プロデューサ）
・加藤隆生氏（SCRAP代表：『人狼村からの脱出』）
・イシイジロウ氏（ゲームクリエイタ：428〜封鎖された渋谷で〜 等）
・小高和剛氏（シナリオライタ：ダンガンロンパ 等）
etc

日本の人狼コミュニティの中核人物だったり、最近のブームの牽引役だったり、このページをめくった貴方なら、きっとこのうちのどれかのコミュニティの中で、人狼を知っていたり、プレイしたりしていることと思います。

インタビューでは、それぞれの人の人狼ルーツをうまく引き出していて、「あ、この人はここで人狼に入っていったのね」というあたりが、極めてわかりやすく俯瞰できる構成となっています。
また、その人なりの人狼への関わり方、考え方をうまくインタビューすることにも成功していて、ともすれば、それぞれの人狼コミュニティ間の分断によって多少なりとも発生してしまっている、偏見だったり誤解だったりするものが、この書を中心に解けていくと良いなと思います。