外国出願のための特許翻訳英文作成教本 の感想
参照データ
タイトル | 外国出願のための特許翻訳英文作成教本 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 中山 裕木子 |
販売元 | 丸善出版 |
JANコード | 9784621088357 |
カテゴリ | ジャンル別 » 科学・テクノロジー » 工学 » 発明・特許 |
購入者の感想
技術英語習得のバイブルとして名高い『技術系英文ライティング教本―基本・英文法・応用』の著者による、待望の第二弾。本書では、3C(正確・明確・簡潔)テクニックを駆使した、日英特許翻訳のノウハウを惜しみなく公開している。
まず本書出版の背景理解が重要であろう。すなわち、日本の特許翻訳者は概して有能なのだが、クライアント(翻訳会社等)の意向により、「訳抜けがなく、日−英1対1対応でチェックしやすい直訳」が求められる。その結果、英語として読みづらいだけでなく、元の日本語が意図した内容を保持していないことがあり、それゆえにネイティブの審査官に拒絶され、特許訴訟で不利となり、多大な損失につながるという現実がある。
本書はこの問題の解決を目指している。工業英語の講師でもある著者が、3C(正確・明確・簡潔)をモットーに、テクニカルライティングの教本、各種スタイルガイド、クレームドラフティングの名著、さらには米国特許審査便覧などを自在に引用しながら、法的要件も加味して、日英特許翻訳のあるべき姿に迫る。発明者の意図を損なうことなく、正確で読みやすい英語に訳し、クライアントはもちろん、ネイティブの審査官をも納得させる(ある意味アクロバティックとも言える)翻訳は可能なのだと説く。
本書は、高度な内容と、膨大な情報量でありながらも、見やすいレイアウト、豊富な図表、理解しやすい例題→解説の流れ、適宜挿入された「実務メモ」「スキルアップ読み物」など、読者を飽きさせず、楽しく読ませる工夫にあふれている。学習者・プロ翻訳者・知財担当者たちの幅広い疑問と好奇心に応える内容となっている。
本文や後書きに若干の校正ミスがあるが、本書の価値を損うものではない。(注:著者のブログによると、最後の文法ミスは校正時の不幸な事故とのこと)(ちなみに私は、著者とは無関係の、一介の知財関係者です。)
まず本書出版の背景理解が重要であろう。すなわち、日本の特許翻訳者は概して有能なのだが、クライアント(翻訳会社等)の意向により、「訳抜けがなく、日−英1対1対応でチェックしやすい直訳」が求められる。その結果、英語として読みづらいだけでなく、元の日本語が意図した内容を保持していないことがあり、それゆえにネイティブの審査官に拒絶され、特許訴訟で不利となり、多大な損失につながるという現実がある。
本書はこの問題の解決を目指している。工業英語の講師でもある著者が、3C(正確・明確・簡潔)をモットーに、テクニカルライティングの教本、各種スタイルガイド、クレームドラフティングの名著、さらには米国特許審査便覧などを自在に引用しながら、法的要件も加味して、日英特許翻訳のあるべき姿に迫る。発明者の意図を損なうことなく、正確で読みやすい英語に訳し、クライアントはもちろん、ネイティブの審査官をも納得させる(ある意味アクロバティックとも言える)翻訳は可能なのだと説く。
本書は、高度な内容と、膨大な情報量でありながらも、見やすいレイアウト、豊富な図表、理解しやすい例題→解説の流れ、適宜挿入された「実務メモ」「スキルアップ読み物」など、読者を飽きさせず、楽しく読ませる工夫にあふれている。学習者・プロ翻訳者・知財担当者たちの幅広い疑問と好奇心に応える内容となっている。
本文や後書きに若干の校正ミスがあるが、本書の価値を損うものではない。(注:著者のブログによると、最後の文法ミスは校正時の不幸な事故とのこと)(ちなみに私は、著者とは無関係の、一介の知財関係者です。)