Beyond The Missouri Sky (Short Stories) の感想

ジャケットの風景のように、
このアルバムの音の向こう側に、
どこまでも続く広さ、奥深さを感じます。
働き詰めでくたくたに疲れて、
「もうどんな外からの情報も受け入れる余裕ないよ」
という日も、このアルバムの曲はしっとりと染み込んできて、
「素晴らしいなあ」
と素直に感動できる、そんなアルバムです。

先ほど、至高の音楽体験をした。何のことはない、ヘッドホンを付けたまま居眠りをしただけなのだが、流れていた曲がよかった。チャーリー・ヘイデンとパット・メセニーのこのＣＤだった。ベースとアコースティックギターのデュオの演奏になる。

素晴らしい曲ばかり入ったＣＤだが、不思議と最後まで通して聴いたことがなかった。それは、途中にあるお気に入りの曲　Our Spanish Love Songとか、First Song (for Ruth)とかに心を奪われてしまうから、ついついそこで中断してしまうからだった。

それが今日は、いい塩梅に途中で眠くなってその中断する機会を逃してしまったのだ。それがよかった。音楽はずっと流れつづけて、夢見心地の中で聴いていた。しっかりと意識が戻ったのはお終いの三曲ぐらいでCinema Paradiso (love theme)、同（main theme)、最後のSpiritualだった。これらの曲が今日は特に素晴らしかった。

発売直後の1997年に購入したＣＤで何度も聞いているが、きょうはかなりボリュームを上げて聴いていた。しかし、ベースとアコギのデュオなので耳に優しい。しかし、主張すべきところは主張してくれたんだと思う。弦の擦れる音や軽く入れてあるシンセサイザーの音など、これまでに聴いたことのない臨場感で聴こえてきた。

この素晴らしい体験を誰かと分かち合いたいと思い、プレゼント用にまだ入手可能なのかと調べてみたら、うれしいことに健在であった。外は春の雨、こんな夜更けに似合うしっとりとした良い音楽だ。音楽に心癒されたいと思っている方には最良の聴く薬になるだろう。