まさき君のピアノ の感想

忌まわしいあの日からちょうど1ヶ月半の平成23年4月16日，大勢の方々が避難生活をされる宮城県女川町立女川第一小学校で，ラジオ体操第一を弾く，まさき君のピアノに合わせて，老若男女みな元気に体を動かしているニュースが感動的に流れ，翌日にも再放送されました。
まさき君は，自閉症という対人関係を構築するのに困難な，先天的なものを背負い，安代さんのもと懸命に生きてきました。
その生い立ちから，震災で祖母と家とピアノを流されたこと，その後の避難所での適応困難な状況，そしてやっと彼の才能が人々の助けとなった「避難所に響くピアノ」のことまで，実に感動的に書かれています。
私は，ニュースを視聴し「大きなことはできなくても対個人であれば自分に何かできるのでは？」と問い，同年5月に輸送会社を伴ってピアノを届けてきました。その時は安代さんもお元気で，滞在した約４時間，いきものがかりの「ありがとう」を含め，私へのプレゼントとして数々の曲を弾いてくれました。
本の出版に当たっては，版元のブックマン社の編集長さまたちが全面支援してくれたのですが，著者で母の安代さんは重篤な病気で入院，野田代議士など(ググれば出てきます)が支援し訪れてくださっています。
本のその後，いわゆるネタバレは書きませんが，今後，まさき君が社会生活に溶け込み，ピアノを引き続けることができるよう願ってやみません。
最後に．．この本を「新品購入」することによって印税がまさき君のピアノを支えますので，ご配慮をお願いする次第です。