バガヴァッド・ギーター (岩波文庫) の感想

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参照データ

タイトルバガヴァッド・ギーター (岩波文庫)
発売日販売日未定
販売元岩波書店
JANコード9784003206812
カテゴリ » ジャンル別 » 文学・評論 » 詩歌

購入者の感想

インド古典中最も有名な書といわれるギーターには、存在の秘密、時間の秘密が説かれている。「この全世界を遍く満たすものを不滅であると知れ。この不滅のものを滅ぼすことは誰もできない」(第二章)。アルジュナが戦いを望まないと宣言したとき、クリシュナはアルジュナに戦いの決意を促したが、大いなる運命の流れに沿って、心の底から湧いて来る衝動に行動を託したと見るべきである。全ては不滅、空であるから。現在の非二元の流れの基である歴史的名著であり、何時も手元に置いておきたい一冊。

大学生の頃、一度バガヴァッド・ギーターを買ったが、殆んど読まず挫折して、その後すっかり興味をなくしていた。あれから35年以上経った最近、NHKのBS放送で「菅野美穂のインド・ヨガ紀行」の特番を見た。この番組の中でヨガをする人の必読書はギーターで、インド人にとって一種のバイブルのような存在で、特に第6章にヨガとは何かについて、そのエッセンスが書かれているとのことだった。また、インド人のヨガの先生がこうも言っていた。「ヨーガとはunity、即ち融合という意味で、心と体を呼吸によって融合させる、結びつけることだ」。目から鱗とはこのこと!そうか、ギーターをヨガの教則本として読めばいいのだと悟った。たまたま、持病の腰痛と膝痛予防のため、近所のジムで腰痛予防ストレッチからヨガにはまり、ここ1年くらい週5日ヨガを習っていたので、この本を購入し、神話的・宗教的な部分は全て飛ばしてヨガについて書かれた部分だけを読んだ。すると番組で言っていた通りのことが繰り返し書いてあるではないか。新約聖書のエッセンスは山上の垂訓(説教)を筆頭に、イエスの発した言葉のみにある。キリストの言葉のみが真のキリスト教である。同様に、原始仏典でシャカが直接弟子たちに言った教えのみが真の仏教の教えである。その原始仏典に書かれているブッダの教えとギーターの教えは瓜二つで、殆んど同じといっても過言でない。確かにブッダもヨガや瞑想もやっていたし、目指す境地は煩悩・欲望からの解脱という点では、古代ヒンドゥー(バラモン)教であれ、クリシュナ教であれ、仏教であれ、同じだということが実感できた。書物というモノは、読む人のリテラシー(読解力)のレベルにより、理解の仕方も様々だと思った次第だ。

インドの叙事詩マハーバーラタの一部です。この部分だけ独立したようになって世界中で読まれています。この本では、前後のストーリーのあらすじが書かれていますが、本編だけでも独立した本として読めます。あらすじの部分に多くの神々の名前が出てきますが、この部分の理解は必ずしも必要ではありません(あらすじの理解にはPeter BrookのThe Mahabharataなどの映画などが助けにはなります)。キリスト教やユダヤ教とはことなる東洋的宗教・哲学観を理解するにはベストな入門書といえます。解説も非常にすぐれています。ヒンズー教の聖典ですが、仏教的な考え方の基礎は、この本で理解できますので、仏教の理解にもつながります。宗教の壁を超えた偉大な思想がここにありますので、無宗教の人にも他宗教の人にも人生の指針を求めるすべての人にお勧めです。

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