ヒストリエ(8) (アフタヌーンKC) の感想
参照データ
タイトル | ヒストリエ(8) (アフタヌーンKC) |
発売日 | 2013-08-23 |
製作者 | 岩明 均 |
販売元 | 講談社 |
JANコード | 9784063878967 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL » コミック |
購入者の感想
展開が遅いとある8巻だが、実は3回もの会戦・遭遇戦などの戦闘が描かれている。
そしてどれもが戦の全体像が分かる描かれ方でびっくりした。
根本の描き方は同じで、全体像を説明して経緯の要点を抑えるものだが
実描写は、一枚絵であったり、ある人の構想であったりと多様。
中でも見開きのマケドニア軍の包囲展開の絵は鳥肌が立つほどだった。
迫力だけでなく、あれだけ雄弁な見開きは見た事がない。
また登場人物にも実に細かい性格描写があり、多分それが後で効いてくる
と思われる様な描き方なども多い様な気がする。
王に頼らずに自ら思索を巡らすエウメネスは勿論の事、
幕下の誰もが把握していなかったモグラ攻め。その詳細までを説明するエウメネスに気付き
言質を取れるなら騙されてやって見てもいい、等と考えていそうなクラテロス将軍。
敵でありながら堅実で温かみのあるフォーキオン将軍。
市民から将軍として頼られた時の、嬉しそうな照れた顔で一発で好きになってしまった。
そして何よりフィリッポス王。
勝手に自分で思索を巡らす、ある意味危険な存在のエウメネスをこそ可愛がる。
多少の無礼な振る舞いにも鷹揚で、結論だけの短い献策にもその価値を瞬時に計れる。
これは、常に全てのありように深い思索を巡らせ続ける者にしか出来ない業だ。
仰ぐに充分な上を頂けるエウメネスが羨ましい。理想の上司像だ。
8巻発売まで2年。仕事が遅い様にも見えるが、描写に見えぬ描写、複線に見えぬ複線を
恐らくは膨大に繰り広げていそうに感じた。
普通の漫画として読める為に、そして漫画の表現力を最大に生かそうと
構成に相当な力を注いでおられるのではないかと思える。
新巻発売にではなく、後世でも名作と言われる整った歴史漫画を目指しているのだろうか。
#講談社は中継ぎとして解説本でも作ってくれないかなと。
#各人の地位や親族関係や軍制、作中の戦闘の詳細な推移など、この時代には疎いので。
#岩明氏の取材資料や構想を纏めるだけでも軽く1冊つくれそうな気がするし。
そしてどれもが戦の全体像が分かる描かれ方でびっくりした。
根本の描き方は同じで、全体像を説明して経緯の要点を抑えるものだが
実描写は、一枚絵であったり、ある人の構想であったりと多様。
中でも見開きのマケドニア軍の包囲展開の絵は鳥肌が立つほどだった。
迫力だけでなく、あれだけ雄弁な見開きは見た事がない。
また登場人物にも実に細かい性格描写があり、多分それが後で効いてくる
と思われる様な描き方なども多い様な気がする。
王に頼らずに自ら思索を巡らすエウメネスは勿論の事、
幕下の誰もが把握していなかったモグラ攻め。その詳細までを説明するエウメネスに気付き
言質を取れるなら騙されてやって見てもいい、等と考えていそうなクラテロス将軍。
敵でありながら堅実で温かみのあるフォーキオン将軍。
市民から将軍として頼られた時の、嬉しそうな照れた顔で一発で好きになってしまった。
そして何よりフィリッポス王。
勝手に自分で思索を巡らす、ある意味危険な存在のエウメネスをこそ可愛がる。
多少の無礼な振る舞いにも鷹揚で、結論だけの短い献策にもその価値を瞬時に計れる。
これは、常に全てのありように深い思索を巡らせ続ける者にしか出来ない業だ。
仰ぐに充分な上を頂けるエウメネスが羨ましい。理想の上司像だ。
8巻発売まで2年。仕事が遅い様にも見えるが、描写に見えぬ描写、複線に見えぬ複線を
恐らくは膨大に繰り広げていそうに感じた。
普通の漫画として読める為に、そして漫画の表現力を最大に生かそうと
構成に相当な力を注いでおられるのではないかと思える。
新巻発売にではなく、後世でも名作と言われる整った歴史漫画を目指しているのだろうか。
#講談社は中継ぎとして解説本でも作ってくれないかなと。
#各人の地位や親族関係や軍制、作中の戦闘の詳細な推移など、この時代には疎いので。
#岩明氏の取材資料や構想を纏めるだけでも軽く1冊つくれそうな気がするし。
作者、生涯のライフワークとなるのだろう。とにかく、二年に一度でるかどうか?で、今これほど心待ちにしている漫画はない。寄生獣の頃から大好きだったが、本作こそ、作者生涯のライフワークに捉えているのであろう。とにかく面白い・・・があまりに丁寧に歴史の裏舞台を描きすぎて、とてもじゃないが、全50巻くらいでないと終わりそうにない。何しろ、アレクサンドロスは本巻時点ではまだ少年で、この巻には全く出てこない。エウメネスの冷徹無比な参謀能力と、フィリッポス王の将器、それに、敵もまた凄く渋くて魅力的。こんな戦いがあったの?ってエピソードだけで、1巻まるまる使って数年ぶりの発売・・・。とにかくこのままのテンションで、アレクサンドロスの即位~東方遠征~アレクサンドロスの死~後継者戦争・・・・・とエウメネスの数奇な生涯を、その死まで追って描いてくれたら、生涯付き合うのだが、そこまで描ききれるの・・・。途中で打ち切られないでね。絵柄も画力も、寄生獣の頃から変わってないようで、なにげに丁寧に緻密になって、とにかく読みごたえあり、繰り返し読みたくなる作品だ。