ルポ 資源大陸アフリカ 暴力が結ぶ貧困と繁栄 (朝日文庫) の感想
参照データ
タイトル | ルポ 資源大陸アフリカ 暴力が結ぶ貧困と繁栄 (朝日文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 白戸 圭一 |
販売元 | 朝日新聞出版 |
JANコード | 9784022617187 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論 |
購入者の感想
高野氏のソマリランド本では氏族の争いが細かく描かれていたが、この本ではアフリカの資源(オイル、鉱山)に目を付けた中国や欧米が、そこに住む庶民の生活を考えないで群がり、公害をまき散らしたり、政府がそれにより得たお金で、反対勢力の抑圧に走り、なんの罪もない普通の人たちが文字通り「虫けらのように」殺されたり、女性にいたってはレイプされたりしている現状にやりきれない思いがしました。
この本によってそういった「先進国」の無茶な振る舞いが日本人に知らされ、アフリカから石油を買う日本もその片棒を担いでいるという事実をつきつけられました。
若くて元気でも、友達の家に遊びに行ったらそこで突然数人の男に強盗に入られたり(著者)、真っ昼間家でご飯を食べていたら、武器を持った男達に押し入られ、目の前で、父親を殺され、母親をレイプされたらもう将来に希望はなく、仕事もないので過激派にでも入って車両から「通行料」をせしめる若者になってしまう。本当にやりきれないです。
日本もいろいろおかしなことはあるけれど、真っ昼間に殺されたりしないだけ(少なくともいまは)この国に生まれたことは幸運だと思いました。
南アフリカのアパルトヘイトがなくなったのは良かったと思います。でも、その後民衆は豊かにも平和にもならなかった。独立した多くのアフリカの国々もそうです。
私の外国に対する興味は欧州一辺倒で、たまたま高野さんのソマリランド本からアフリカに興味を持ちました。
日本人の私たちにできることがあるのか分からないけれど、日本から遠くの豊かなアフリカで人々が必ずしも豊かでない現状は知るべきだと思います。
この本によってそういった「先進国」の無茶な振る舞いが日本人に知らされ、アフリカから石油を買う日本もその片棒を担いでいるという事実をつきつけられました。
若くて元気でも、友達の家に遊びに行ったらそこで突然数人の男に強盗に入られたり(著者)、真っ昼間家でご飯を食べていたら、武器を持った男達に押し入られ、目の前で、父親を殺され、母親をレイプされたらもう将来に希望はなく、仕事もないので過激派にでも入って車両から「通行料」をせしめる若者になってしまう。本当にやりきれないです。
日本もいろいろおかしなことはあるけれど、真っ昼間に殺されたりしないだけ(少なくともいまは)この国に生まれたことは幸運だと思いました。
南アフリカのアパルトヘイトがなくなったのは良かったと思います。でも、その後民衆は豊かにも平和にもならなかった。独立した多くのアフリカの国々もそうです。
私の外国に対する興味は欧州一辺倒で、たまたま高野さんのソマリランド本からアフリカに興味を持ちました。
日本人の私たちにできることがあるのか分からないけれど、日本から遠くの豊かなアフリカで人々が必ずしも豊かでない現状は知るべきだと思います。
ともすれば大手新聞社の記者のルポだと、周囲に配慮された間接的な表現であったり、
中途半端なリポートになったりするが、この本の筆者は、毎日新聞の記者でありながら
ありのままのアフリカを理解するためにかなり危険な場所にまで赴いている。
勿論、アフリカのルポタージュとなれば、他にも強烈な内容や過激なまでの表現
で目を引く物もあるが、全体を通してアフリカの現状、歴史を公平且つ冷静に
読者にわかり易く表現した物は、そんなにあるわけではない。
その意味で非常に貴重であると同時に、安定した身分でありながら、本来もっている
好奇心と行動力で、日本にいると中々知ることができないアフリカの今を
伝えてくれた著者に脱帽である。
日本の記者の中にも自らの足で記事を書く優秀な記者はたくさんいるとのことと、
記者クラブにおける日本の閉鎖性について、巻末に僅かに言及しているところにも、
筆者のジャーナリストとしての気持ちの強さを感じた。
色々と問題が多い日本のメディア・報道姿勢だが、少しでも著者のような記者が
変えていってくれる事を期待したいと思う。
アフリカと暴力の関連性の一端を見る意味で非常に勉強になる一冊でした。
中途半端なリポートになったりするが、この本の筆者は、毎日新聞の記者でありながら
ありのままのアフリカを理解するためにかなり危険な場所にまで赴いている。
勿論、アフリカのルポタージュとなれば、他にも強烈な内容や過激なまでの表現
で目を引く物もあるが、全体を通してアフリカの現状、歴史を公平且つ冷静に
読者にわかり易く表現した物は、そんなにあるわけではない。
その意味で非常に貴重であると同時に、安定した身分でありながら、本来もっている
好奇心と行動力で、日本にいると中々知ることができないアフリカの今を
伝えてくれた著者に脱帽である。
日本の記者の中にも自らの足で記事を書く優秀な記者はたくさんいるとのことと、
記者クラブにおける日本の閉鎖性について、巻末に僅かに言及しているところにも、
筆者のジャーナリストとしての気持ちの強さを感じた。
色々と問題が多い日本のメディア・報道姿勢だが、少しでも著者のような記者が
変えていってくれる事を期待したいと思う。
アフリカと暴力の関連性の一端を見る意味で非常に勉強になる一冊でした。