幽麗塔(4) (ビッグコミックス) の感想

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タイトル幽麗塔(4) (ビッグコミックス)
発売日2013-07-11
製作者乃木坂太郎
販売元小学館
JANコード登録されていません
カテゴリ » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL » コミック

購入者の感想

この巻ではテツオと天野の逃避行がメインとなります。
警察の目を欺くため天野が女装し新婚夫婦を装うのですが、その際の天野が女性になりきってテツオに胸ときめかせるシーンが多く散りばめられていて、ジェンダーの境界線が曖昧になります。ですがそれもまたよし!
幽麗搭を読んでいると古き良きミステリーの様式美を思い出します。江戸川乱歩や横溝正史が好きな方は、猟奇と怪奇と耽美が織り成す世界に惹きこまれるはず。それだけならば古臭い、使い古されたと鼻白む向きもいるでしょうが、ヒロインの枠を破って軽やかに跳躍する男装の麗人・テツオの鮮烈な存在感が、物語をぐっと盛り上げる。
一応本編の主人公は天野なんでしょうが、全編通して活躍し颯爽と美味しい所をかっさらっていくテツオの男前さといったら堪りません!女性読者でも惚れかねない。
幽麗搭の殺人の謎解明を縦糸に、二人が旅先で遭遇する奇怪な事件を横糸にストーリーは進行するのですが、今回は閉鎖的な村での密室殺人が肝。
事件の真相は伏せますが、私はあの終盤の演出こそが、この漫画の特色を打ち出していて素晴らしかったと思います。
理詰めの推理で真相を解き明かしてもなお残る人の業、心の闇。狂気と妄執が生み出す悲劇。
乱歩や正史の愛読者なら共感して頂けるでしょうが、トリックよりむしろそちらに比重をおく読者ならば、惨劇が悲劇へ、そして諦観を含んだ静かな悟りへ様相を変えるあの一連の演出もすんなり受け止められると思います。

紹介文にもある通り、天野が女装をし、テツオがいつも通り男装をして
新婚夫婦を装って逃亡生活をしています。
妙な関係の二人の間に生まれる友情・・・のようなもの、とても見どころです。
いつもよりちょっと艶めかしいシーンが多かったです////
物語はというと、前巻から謎の解明に向かっているかのように思いましたが
また更に新たな謎が絡み合いとても濃密なストーリーになっています。
物語はまだまだこれからってところですね!
読むと必ず次を早く読みたいと思うようになると思います。

あと「男が女に、女が男に」ってとこで生じるすれ違いというか、なんというか
それがとっても面白かったです。ヤダ!テツオカッコイイ!

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