1人でも2人でも手軽にジャズが楽しめる ピアノ伴奏で吹くアルト・サックス ジャズ・スタンダード編 (CD2枚付) (サックス&ブラス・マガジン) の感想

初級~中級クラスの人が手っ取り早くジャズの定番フレーズを研究したければ、これだと思います。

国内第一線で活躍するジャズ奏者、大山日出男氏と椎名豊氏によるピアノデュオ楽譜集です。付属CDには模範演奏とカラオケ（つまりピアノ演奏のみ）が収録され、またアルトサックスの譜面のみならず、パーフェクトなピアノ譜も別冊として付けてくれるという親切さに驚きます。どちらもアドリブは勿論、装飾音符も含め丁寧に採譜されており文句の付けようがありません。

大山氏による演奏は奇をてらったものなどが無く、癖も無くて本当にかっこいい。この手の楽譜はテナーサックス用も含め大概購入してきたけれど、奏者のセンスの良さも含め断トツの1位です。緑川英徳とは訳が違う（笑）。収録された20曲はスローテンポで初心者でも吹けるレベル（ダニー・ボーイ）から上級者向きのもの（バット・ノット・フォー・ミー）まで硬軟取り揃えてあるため、奏者の技量を問わず薦められますね。技巧でごまかさずしての（フラジオも一切無し）このカッコ良さ、大山氏は本当にすごい。細かい音符も少ないので、自分はアルトだけでなくバリサクでも楽しんでいます。

ジャズ好きのアルト奏者には、現在市販されている中では一番お勧めしたい楽譜集です。この手の商品のカラオケパートはピアノ・ベース・ドラムが常でピアノデュオという構成に当初多少のひっかかりはあったものの、椎名氏のピアノは重厚で物足りなさなど無く、リズムもきちんと掴めます。こんなアイテムに出会えるなんて本当に幸せ、と思わせてくれる素晴らしい商品でした。