アレルギーの特効薬 の感想

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参照データ

タイトルアレルギーの特効薬
発売日1996-04-01
アーティスト山崎まさよし
販売元ポリドール
JANコード4988005178213
Disc 1 :月明かりに照らされて
窮鼠猫を噛め
心拍数
中華料理
週末には食事をしよう
坂道のある街
アレルギーの特効薬
パンを焼く
関係ない
妖精といた夏
根無し草ラプソディー
カテゴリ » ミュージック » ジャンル別 » J-POP

購入者の感想

本場のブルースがなんたるかを知らない若造の戯言だと思って読んでもらって構わないが、上のほうに書いてあるライターのレビューはこの作品を洋楽と比較して鼻で笑っているのだろうか。ブルースではない?少なくとも僕は、間違いなくこれは日本のブルースそのものであると感じたが。

最近になって山崎まさよしのアルバムを買い揃えたのだが、2枚目をなかなか聴けなかった。それはこのデビュー作「アレルギーの特効薬」が素晴らしいアルバムであったからに他ならない。正直侮っていた。さらりとした聴きやすさは予想していたとしても、ここまで渋く太いブルースシンガーだとは片手間で聴いているリスナーには届いていないと思う。特にこれは1枚目であり、垢抜けない彼のルーツに近い音楽が鳴らされている。

一聴しただけでは、ハイライトらしいハイライトが見つからない。それはシングルの主張が弱くアルバム全体で完成している連帯感が強いということでもあるが、それ以上に個々の曲のなめらかな並列感が強い。客観的に見て凹凸がない。要するに、聴く人によってハイライトが変わるという性質があると思う。例えばリアルなラブソング集かもしれないし、僕にとっては近所の中華屋やパンの匂いのする生活臭が強い作品。クライマックスは芳しいバラード「妖精といた夏」だ。
しかし好きな曲を挙げてゆけば結局全部挙がる。そんなアルバムだ。

代表シングルだけでは計れない、山崎まさよしの地が感じられる作品。聴き込むほどに味が出る、地味ながら迷わず太鼓判を押せる「ブルースの名盤」である。ええから聴いとき。

音を楽しめるのが山崎まさよしの音楽の特徴だと思う。いきなりのデビュー作でそれが色濃く刻まれていた。ルーツから会得してるのではと思うほど、深さと味のあるブルース。ギターを中心とした楽器同士のガチャガチャ感から巻き起こるグルーヴ。山崎の歌声すら楽器の一つのような調和力を持ちつつ、比類ない歌としての説得力。24歳の作品なのだから凄い力だ。
これら若いエネルギーの放射が凄いだけで既に聴き応えあるのだが、尚且つ全ての曲がしっかりとした骨格を具えており、全体でのまとまり方もタイトだ。だからこそ名盤の域にある作品なのだと思う。全曲完成度が高くどこにも隙がない11曲で、満足度は非常に高い。

ところでブルースというのは生活の中にある出来事から発せられてゆく音楽(今作の曲のタイトルはどれも素朴だ)だし、またリズム&ブルースはギター等によりリズムの波長を作り、どんどん拡大してゆき、グルーヴ、スィングを作り出してゆく興奮度の高い手法だ。それを日本語POPSとして成立させ、今日純粋に魅させてくれるのは、トップチャートで他にアコギを使う歌手がいても、彼しかいない。日本にまた一人伝説が誕生した瞬間を知り、熱を覚えた処女作だった。

※これほどのデビュー作でのミュージシャンとして、作家としての成熟度は、滅多にいない。今までレビューした中では最近では矢野絢子「ナイルの一滴」、チャゲ&飛鳥「風舞」あたりが今作と並び思い出す。他にもデビュー作をいろいろ聴いたがこの「アレルギーの特効薬」はぶっとんでる。

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ポリドールから発売された山崎まさよしのアレルギーの特効薬(JAN:4988005178213)の感想と評価
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