マイクロソフト Surface Pro 3（Core i7／256GB／Office付き） 単体モデル [Windowsタブレット] 5D2-00015 の感想

購入してから毎日使っている感想を書いていきます。

SurfacePro3は果たして何者なのかと言えば、キーボードその他を一切取り払ったノートPCです。

タブレットPCといえばiPadやAndroid端末などを思い浮かべ、たまに8インチのWindowsタブレットくらいだと思いますが、その辺りとは全く違いますね。
大きさがまず巨大で、一昔前の11インチノートみたいな大きさがあります。
また、冷却ファンが装備された高スペック端末であり、ファンレスが基本の上記三種とは用途としても被りません。
背部のキックスタンドが、さらにノートPCのように使うよう求めてきますし。
手に持って使うタイプではありませんね。

スペック的にはCorei7とされていても、実際は2コアであり、デスクトップ版Corei7の約1/4程度の能力となります。
2D能力では非常に高いのですが、当然ながら3D用途には向きません。
エンコードもスペック通り、1/4程度になります。
動画再生能力は普通程度ですが、USBが一基のため、用途は限られます。

液晶は十分に綺麗といって良いレベルですが、発色はやや緑寄りで正確とは言いがたく、グラフィック制作の母艦には向きません。
編集作業にはスペックが十二分に発揮でき、ストレスはありませんが。

とまぁ、つらつらと書きましたが、要するに普通のノートPCを想定すると良い端末です。
タブレットを使用しているときに必ず欲しくなるスタンドが内蔵されており、キーボードは好きなものを選べることが強みでしょうか。
携帯性を重視するのであれば純正を使えば良いですし、入力を重視するのであれば、有線もしくはフルサイズ無線キーボードを別途用意すると良いです。

ノートPCと違い、画面が少し厚い以外は何もないので、無線キーボードを使っても何の違和感もありませんし、姿勢を選びません。
ベッドの枕横に配置してキーボードを腹の上に置いても良し、仰向けになって腹の上にSurface3を置き、その後ろにキーボードを置いても良いです。

大きな画面は閲覧性に優れかなり快適、横長が主流になるなかそれを先導したマイクロソフト自らレガシーな比率に回帰しただけはあると思う。そして、コンテンツ制作にも耐えるほどのパワフルなハードスペック。リッチなペイントソフトも３DのDCCツールだってきっちり動くかなりの無茶をしなければ余力が常にある。
だが、いずれもコンピューターのハードスペックと同時に必要なものがある。それは快適な入力環境。サーフェイスプロで標準的に使用される入力環境はタイプカバーとNtrigのペンなのだが、快適な製作を実現するうえでまず障害になるのがタイプカバー。ノートPCのレイアウトで直接液晶にペン入力するのはかなりきつい。邪魔なら外せばいいと思うかもしれないが、快適なペイントやスカルプト、モデリングにキーボードショートカットは不可欠なのだ。タイプカバーはサーフェイスから電力を供給されるので、外してしまえばただの板。画面に表示されたUIだけでペイントをするのは、デスクトップで作業しているのになれていると結構つらい。
もう一つの障害がNtrigのペン。wacomのペンから変わって筆圧の階調が下がったのなんのとさんざん言われているが、筆圧の階調は現状でも十分である。ただし問題になるのは筆圧の最小値だ。なでるような感じだと反応してくれない。これはマイナス。
次に位置精度。asusのvivo tabを購入したことがあるが、そこに搭載されていたwacomのペンに比べれば、格段によい。wacomは電磁誘導を利用しているので、タブレットに埋め込まれた磁石に反応して、盛大に位置がずれてしまうのだ。当然、絵を描くには不向きだった。Ntrigの方式ではそういう心配はない。真ん中でもスミでもずれのないポインティングが出来る。しかし、これにも弱点がある。位置を検出するための画面に埋め込まれたグリッドにペンの座標がひっぱらるのだ。ゆっくり線を引くとぶれるというのは本当。これのせいで、絵を描いていて、ペンの先端がふわっとした感触になる。
で、最後にペンボタンの設定が固定になっている。これがかなりのマイナス。これが原因でいくつかの３D　DCCツールはそのままでは使い物にならないし、ペイントもかなりやりにくい。これは近くアップデートされるらしいのでそれに期待。