毎日かあさん11 息子国外逃亡編 の感想

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参照データ

タイトル毎日かあさん11 息子国外逃亡編
発売日販売日未定
製作者西原 理恵子
販売元毎日新聞社
JANコード9784620770918
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購入者の感想

 西原理恵子の子育て奮闘エッセイ漫画も、とうとう第11弾です。「息子国外逃亡編」とあるように、お兄ちゃんは高校途中で突如としてアメリカ留学へと人生の駒を進めます。
 といってもお兄ちゃんはまず、そのどん底の成績を力技で引っ張り上げて、留学資格を手にするところから始めなければなりません。怒涛のごとく勉強漬けの日々を送り、なんとか資格取得ラインをギリギリ クリア! …したかに見えたのも束の間、思わぬ結末が待ちうけています。
 そこでお兄ちゃんが下した決断に、西原画伯は息子の確かな成長を見て、心淋しく母の心境を吐露するのです。「男の子は急に走る」、と。

 お兄ちゃんの成長の一方、妹ちゃんは画伯を背丈で追い抜き、寸胴だった体に腰のくびれが出来、そして中学の女子バスケ部の先輩に心ときめかす姿が描かれます。これまでの『毎日かあさん』十編で、読者を“笑かして”くれた子どもたちは、着実に大人へと変態(メタモルフォーゼ)していくのです。それは悲しいかな、<親離れ>の同義語でもあります。

 そして画伯は、ある人から投げかけられたこんな言葉を綴ります。
 「あなたの人生で働く事と、お金を稼ぐことを何より大切にしていることは知っています。でも人生には何度か、必ずお金で解決できない困難が起こります。その時に一番役に立つのが経験です。頭の中に経験を貯金するんです。お子さんにお金を使うなら今ですよ」(63-64頁)
 そう、これは、飢えや寒さから子どもたちを守ることに努めてきた母が、子どもに衣食住の次に今度は経験を与えることを選ぶ物語なのです。

 西原画伯がソチ五輪取材中にはヤマザキマリ画伯が代筆を務めます。ヤマザキ画伯は世界中で暮らしながら自身の一人息子を育てあげた経験を綴っていて、そこに西原画伯が今まさに歩む子育て道との通奏低音を見ました。

 次回作の第12弾では、お兄ちゃんと妹ちゃんはどんな大人の貌を見せてくれるのでしょうか。楽しみでもあり、画伯同様、心淋しくなる予感も同時に抱いています。

9巻辺りから少しずつ感じていた気持ちが、11巻ではっきりしました。

「お金持ちの子って、いいよな。好きなものを買ってもらえて、うまい物食えて、行きたいトコに行けて。そして、希望通りの教育を受けることができて。」

ハイ、貧乏人の僻みですww
20数年サイバラの漫画を読んできましたが、私がサイバラ漫画に求めているものと、毎日かあさんはずれてしまったようです。
なので、違う作品に期待しつつ、私はこれで毎日かあさんとお別れします。

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毎日新聞社から発売された西原 理恵子の毎日かあさん11 息子国外逃亡編(JAN:9784620770918)の感想と評価
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