英語は「インド式」で学べ! の感想

TOEICでそこそこの点数(730点以上とか)を取得しているのに、英語の電話会議、F2F会議、出張となると、まるで話せなくなる、単語だけのコミュニケーションしか出来ない、という方にはおススメの内容かと思います。最近流行っている「グロービッシュ」と似ているのですが、もっとシンプルなアプローチを筆者は取っています。

【良いところ】
・読み書き英語力がある程度ある(と思っている)が話すのが苦手な人には、確かに自信が持てるようになるし、分かりやすいと思います。
・極めてシンプルなルールを教えている。これを軸に話す方向へ持っていくアプローチは良い。グロービッシュより覚えることが少ない。
・第５章　英語がカッコよく話せる「７つのコツ」、の内容が、単純ではあるが素晴らしい。ここの内容を押さえていればかなり人前でのプレゼン、会議での評価が上がるはず。

【悪いところ】
念のため、正直悪いところ、というほどではないです。
・インド式、と言ってますが、インド人の英語運営能力は正直ここにあるレベルではないです。もっと高度だしこんな稚拙な表現だけではない。文法、リスニングなどかなり高いレベルである。知人にインド人は何人も居るが、幼児の英語教育はこんなしょぼくない。かなりきっちり子供の頃からやるし、語彙力などものすごい豊富である。インド人に対する誤解を招きかねない。
・発音を軽視し過ぎているかも。この本の内容をマスターしてからちゃんと発音は身に付けるべき、というべき。正直発音が正しく把握出来ないとかなりリスニング力的に苦戦する。加えて、インド人は確かにヒンディー語その他の地方言語に基づいた子音を使った発音をするが、アクセントはかなり正しい。
・他の方も書いているが、同じことを言っているのが本の中に3度位出てきてくどい。しかも全く同じ表現でデジャヴかと思うくらいである。
・この本に書いてあるレベルでは、実ビジネスでは正直全く通用しない。ということを、どこかで述べたほうが良いかも。

なかなかスゴイ、という方も居られれば、「…裏口入学的」(笑)と評される方もおられるようで当然賛否、と言いますか好みは分かれてくるとは思うのですが、個人的には英会話の「入り口」でためらい、躊躇されて居られる方ならば手にとってご覧になられても損は無い。そう感じます。
ツールとして割り切ればこれで十分でしょうし、何よりも「会話」が始まらなければ何もはじまらないワケでして…。
そうして、「通じる」と言う実感と自信さえ持てればその後は弾み車が回り出すように、いろいろな余裕が出てきて、ちょいと発音を意識してみようか、とか、表現を変えてみようとか…でどうとでもなるのでは無いでしょうか。

一つ減点したのは、前半同じことばかりにページをついやして構成が「くどい」点をマイナスと為せて頂きました。