クトゥルフ神話TRPG 比叡山炎上 (ログインテーブルトークRPGシリーズ) の感想

クトゥルフ神話TRPGがなくてもこの本だけで遊べるスタンドアローン・サプリメント。

戦国日本かクトゥルフ神話のどちらかのファンであれば迷わずお勧め。

1570年〜1582年（本能寺の変）までの戦国時代末期〜安土桃山時代（織豊政権期）中心とした時代背景で遊ぶことが想定されているが所収の年表では1428年（足利義教の将軍選出）〜1639年（いわゆる鎖国開始）まで用意されており、より幅が広いキャンペーンも可能。基本的な歴史風俗等の資料はわかりやすく書かれているのであらかじめ戦国時代の日本に知識がなくてもストレスなく遊ぶことができる。職業には忍者や地侍の他、巫女や茶人、果ては切支丹や伴天連といった変り種が用意されていているのが愉快。職業によって忍術や剣術、異能（肉体の変異など）などの「術」も取得することができ（神話呪文と同様、取得や行使に正気度などを消費。ただし効果はより派手）、山田風太郎風の伝奇忍者ものとして神話生物と戦うという派手なセッションもできる。また戦国時代は死と危険とは隣り合わせなので「修羅」技能を使うことにより正気度の低下を減らすことが試みられる。

クトゥルフ神話系の設定も戦国日本に思っても見ない形で登場するのでそれも興味深い。

3本のシナリオ「比叡山炎上」「松永弾正謀反始末」「安土黄金城卍返し」が収録されており織田家臣一行として連続してキャンペーンとして遊ぶことも可能。

また、織田信長/木下藤吉郎（羽柴秀吉）/明智光秀の神話的真相が10ずつ設定されており、そのどれかを選ぶ（あるいは組み合わせる）ことによりキャンペーンを自由に楽しむことができる。