名探偵ポワロ ニュー・シーズン DVD-BOX 5 の感想

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参照データ

タイトル名探偵ポワロ ニュー・シーズン DVD-BOX 5
発売日2014-12-02
監督ジョン・ストリックランド
出演デビッド・スーシェ
販売元Happinet(SB)(D)
JANコード4907953063181
カテゴリDVD » ジャンル別 » TVドラマ » アメリカのTVドラマ

購入者の感想

実に25年にもわたる長い年月を掛けて、ついに名探偵ポワロ・シリーズ全70作が完結した。ポワロ物の原作は、長編が33作、中短編が54作、戯曲が1作、合計88作あるのだが、本シリーズを振り返ってみると、長編は33作全て収録、中短編は短編集『ヘラクレスの冒険』の全12作が『ヘラクレスの難行』に一本化されているとして48作が収録され、重複を避けるためにカットされた収録作の原型作が5作、純粋なカット作が『呪われた相続人』1作となっており、舞台劇の脚本である戯曲『ブラック・コーヒー』もカットという結果になった。ちなみに、『呪われた相続人』は標準的な一定レベル以上の短編であり、しかも、どんな短編でも内容をふくらませて見事なミステリドラマに仕上げてしまう腕の立つ脚本陣を擁しているのに、なぜこの短編だけが純粋なカット作となってしまったのかは、解せないところだ。 

『象は忘れない』は、アガサ最晩年、何と82歳時の作品なのだが、「この歳で、これだけの作品が書けるのか」と思うような作品であり、アガサの伝記でも、「ほんとうに力が衰える前に、最後にアガサが書いた小説となった」とされている。 
このテレビ版では、ウィロビー教授の殺害事件を追加するなど、そんな原作に何ひねりも効かせているのだが、ウィロビー教授が施す治療方法とその殺害動機に強引なところがあり、また、ひねりを効かせ過ぎた分、原作の最大の読みどころである哀しくも美しい愛の悲劇の結末が、やや散漫になってしまった観があるのが惜しまれる。 

『ビッグ・フォー』には、ラスト・シーズンということで、ヘイスティングス、ジャップ、ミス・レモン、ジョージのポワロ・ファミリーを勢揃いさせている。ちなみに、ジョージ以外は、『白昼の悪魔』以来、実に13年振りの登場であり、ミス・レモンとジョージは、原作には登場していない。 
このテレビ版は、冒頭、ポワロの葬式シーンから始まり、そこから事件の発端となった4週間前に遡るのだが、プロット、人物設定とも、原作から大きく変えられている。ラストで明らかにされる真相も、原作のスケールが大き過ぎて、テレビドラマの範疇を超えていることが根本にあることは分かるのだが、それにしても、壮大な禁じ手を使ってしまったなという感は否めない。

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Happinet(SB)(D)から発売されたデビッド・スーシェが出演のジョン・ストリックランドの名探偵ポワロ ニュー・シーズン DVD-BOX 5(JAN:4907953063181)の感想と評価
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