邪馬台国をとらえなおす (講談社現代新書) の感想
参照データ
タイトル | 邪馬台国をとらえなおす (講談社現代新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 大塚 初重 |
販売元 | 講談社 |
JANコード | 9784062881548 |
カテゴリ | 歴史・地理 » 日本史 » 一般 » 日本史一般 |
購入者の感想
これ一冊あれば十分といった内容でした。
邪馬台国関連の新書・選書・学術文庫・一般教養書クラスの内容であれば、
全て網羅されていると言っても過言でないと思います。
しかも、現状が偏りなく分析されています。
「邪馬台国研究の現状は、考古学上からも文献学上からも、
双方互いに推測に推測を重ねて迷走しているように私には思える」
そう語る著者は、考古学からのアプローチ、
広く吉備・大和・出雲が連帯した畿内説の立場ですが、
現状では纒向遺跡=邪馬台国の蓋然性が高いなどとは言えないとし、
東国を含めた倭の全体像を冷静に検証していきます。
・「魏志倭人伝」の検証
・激動の東アジアと倭国大乱
・「漢委奴国王」金印の真贋
・青銅器の分布
・銅鐸祭祀の消滅
・鉄と鏡の分布
・土器と墓の分布
・輪鐙の問題
・AMSや年輪年代測定の問題
三角縁神獣鏡に関しては、王維坤さんの指摘が鋭く、
また鉛同位体比からも国産と結論してよさそうなものですが、
著者は学者らしくさらなる証拠を追い求めます。
本書の問題点は、図表が少ないことです。
「S字状口縁台付甕形土器」などを文字だけで説明されてもイメージできません。
また、著者は安易な断定を行わないので、
結論だけを求める向きには合わないかもしれません。
タイトルとおり邪馬台国をとらえなおし、
現時点までを総括した良書といえます。
邪馬台国関連の新書・選書・学術文庫・一般教養書クラスの内容であれば、
全て網羅されていると言っても過言でないと思います。
しかも、現状が偏りなく分析されています。
「邪馬台国研究の現状は、考古学上からも文献学上からも、
双方互いに推測に推測を重ねて迷走しているように私には思える」
そう語る著者は、考古学からのアプローチ、
広く吉備・大和・出雲が連帯した畿内説の立場ですが、
現状では纒向遺跡=邪馬台国の蓋然性が高いなどとは言えないとし、
東国を含めた倭の全体像を冷静に検証していきます。
・「魏志倭人伝」の検証
・激動の東アジアと倭国大乱
・「漢委奴国王」金印の真贋
・青銅器の分布
・銅鐸祭祀の消滅
・鉄と鏡の分布
・土器と墓の分布
・輪鐙の問題
・AMSや年輪年代測定の問題
三角縁神獣鏡に関しては、王維坤さんの指摘が鋭く、
また鉛同位体比からも国産と結論してよさそうなものですが、
著者は学者らしくさらなる証拠を追い求めます。
本書の問題点は、図表が少ないことです。
「S字状口縁台付甕形土器」などを文字だけで説明されてもイメージできません。
また、著者は安易な断定を行わないので、
結論だけを求める向きには合わないかもしれません。
タイトルとおり邪馬台国をとらえなおし、
現時点までを総括した良書といえます。